VOCALOID入門

パラメータ設定の実例 その1

基本の操作、ポルタメント、表情プロパティ

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 実際の問題点を例に、パラメータを設定してこれらを 解決する方法を示します。

サンプル曲

 ここで取り上げるサンプル曲は『金のリボンでROCKして』 です。♪Finさんの素敵なMIDI演奏によれば、次のような曲です。
聞いてみる(DTM TOWN へ)

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メロディーの読み込みと歌詞の設定

 最初にSMFファイル(*.mid)をインポートして、メロディー パートを読み込みます。
 歌詞の設定は「歌詞の流し込み」機能を使用してもできます が、音符をダブルクリックすると歌詞入力状態になりますし、 TABキーを押すことで、次の音符の歌詞を入力する状態 になりますので、手動で行ってもそれ程手間ではありません。

デフォルトの歌唱スタイルの設定

 SMFファイルをインポートする前に、デフォルトの歌唱 スタイルを設定しておくのが本道かもしれませんが、どのよう なスタイルが曲に適しているのか分かりませんから、メロディー を読み込んだ後に、聞きながら設定するのが得策です。
 メニューバー>設定>デフォルトの歌唱スタイルで、 デフォルト歌唱スタイルダイアログボックスが開きます。

デフォルト歌唱スタイルダイアログボックス

 パラメータを設定して「現在のトラックに適用」ボタンをクリックすると、すべての音符にデフォルトの歌唱スタイルが適用されますから、パラメータ変更と再生を繰り返して、曲の大部分で破綻のない設定を探します。
 例えば、ここでの設定意図は次の通りです。
 ピッチベンドは掛けすぎるとクドイので、8%とし、 ベンドの長さ(ポルタメントの速度とも連動する)は 一般的な20%に設定しています。
 ポルタメントは必要なところだけ設定することにして、 デフォルトではOFFとし、ディケイ、アクセントともに 標準値の50%としています。

タイミングとデュレーションの調整

 音の開始時間と持続時間(タイミングとデュレーション)を 調整します。これは、パラメータ調整と言うよりも、曲想その ものの調整で、重要度の高い操作です。
 初音ミクは、音と音の間隔(ギャップ)や、デュレーションを 判断して、アクセントやピッチを選択します。ですから、細かな 設定を行う前に、先ずは音のタイミングとデュレーションをしっ かり決めてしまう必要があります。(後でタイミングやデュレーションを変更すると、その他の細かな設定がガタガタになって しまいます)
 インポートしたてのデータは次の通りです。


インポートしたてのデータ
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 あなたかたが、やとお

という感じで、太線の歌詞はスタッカートみたいなので、デュレーションを短くします。


デュレーションを調節したデータ
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 デュレーションを調節すると、アクセントや子音のレベルが 自動的に調節されますので、この調節だけでかなり曲のイメージ を作ることができます。ええかげんでよければ「はい、これで 完成!」ということもできます。

ポルタメントポジションの調整

 音程が音符の通りに変化していない部分は、そのように音符 を変更するか、あるいは、ポルタメントポジションを調整しま す。

 あなたぁのかたが、やけにとぉお

という感じでで、た→のへのピッチ変化が早めに生じています し、と→おへのピッチ変化は少し遅れています。
 そこで、「の」への変化点でポルタメントポジションを小さく し、「お」への変化点でポルタメントポジションを大きくします。
 前のページで説明したように、「ポルタメントを付加する」 を指定しなくても、ポルタメントポジションを変更すると、 ポルタメントが生じます。(その変化速度は「ベンドの長さ」 で設定できます)


ポルタメントポジションの設定
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表情コントロールプロパティーの調整

 ピッチベンドが生じている場合(ベンドの深さ、長さ)や、長い音で次第に小さくなる場合(ディケイ)、音の先頭が強く発音されている場合(アクセント)は表情コントロールを調整します。

 あなのかた、やけにとぉおい

という感じでで「た」と「が」にはピッチベンドがあるので、 ベンドの深さを20、ベンドの長さを10に設定します。


表情コントロールプロパティーの設定
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 表情コントロールプロパティーダイアログボックスは、 音符の下に表示されるマークをダブルクリックすると一発で 表示されます。

このフレーズはこんなものでしょう。


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