差込バイトホルダ
概要  差込バイトは経済的なので、小型旋盤でしばしば使われます。本バイトはその中でも、とりわけ経済性を重んじると同時に、ミニ旋盤に適した工夫を行ったものです。
 砥ぎ直しが簡単で、樹脂、アルミから、鉄材まで抜群に切れます。一番多用するバイトです。
 旋盤を買ったけど、やっぱり安物はアカンわ。と諦らめている方はぜひこのバイトをお試し下さい。剛性の低い旋盤でも圧倒的な切れ味と美しい仕上がりが得られます。

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全体図
 16ミリのS45C角棒を切断して、一端を45度に切り取り、ここに溝を設けて、K10の超硬角棒を取り付けています。
このまま、刃物台に取り付けると、刃高がピッタリ合うようになっていますから、敷板は不要です。微妙な刃の高さは、刃先材を出し入れして、調整出来ます。

刃先材固定部
 すくい角は20度と、現在の工業用旋盤からは想像の出来ない設定です。しかし、刃先の寿命を重要視し、砥がずに何百個も加工する必要のある工場と、剛性の低い旋盤で、高々数個の加工を行うアマチュアでは状況が異なります。
 つまり、すくい角を大きくする事で、剛性が低くてもビビリの無い滑らかな旋削が可能になります。また、刃先の寿命も、わずかにRをつければ、十分すぎる程得られます。

刃先部分
 刃先材は、2本の4ミリホロセットで固定しています。砥ぎ直す時は、数ミリ刃先を繰り出して、グラインダに当てれば簡単です。
 また、すくい角に対応して刃先材が傾いていますから、刃先が摩損しても、砥ぎ直して刃先材をすこし繰り出してやるだけで再生しますから、通常のすくい角をつけたバイトのように、数回砥いだらおしまいと言う事がありません。