再起不能のベアリング
概要  大径ローラーに使用する520ベアリングには、軸を傾ける方向に荷重が加わる為に、他のベアリングに比べてトラブルが発生しやすいです。
 特に、たまに食い込んで、その時は、一方方向にしか回転しなくなる、「片方向食い込み現象」が発生すると、洗浄しても、コンパウンドを注入して再研磨しても、回復しません。
 そこで、その原因を調べる為に分解し、顕微鏡で観察しました。


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正常なリテイナー
 ベアリングの内部では、ボールはリテイナーと呼ばれる枠で等間隔に保持されています。写真は正常なリテイナーで、丸い窪みの部分がボールを保持する部分です。

障害の起きたリテイナー1
 脱脂した状態で、1時間以上走行した結果、「片方向食い込み現象」を起こしたベアリングのリテイナーです。
 淵の部分が、ボールに挟まれて、引き伸ばされています。
 ごく僅かでも注油しておく事でこのトラブルは防ぐ事が出来ます。従って、長時間の耐久レースでは、ごく僅かな注油が必要です。

障害の起きたリテイナー2
 異なる角度から見たリテイナーです。白く輝いている部分が、ボールに挟まれて引き伸ばされた部分です。
 ローラーの軸受けに使用しtえ、軸を傾ける荷重、あるいは、軸方向の強い荷重を受けながら、無給油で高速回転し続けた時に発生したものです。