高信頼性二重ベアリングローラー
概要  950ベアリングの抵抗を減らす為に内部に520ベアリングを挿入する方法は 古くから用いられています。
 しかし、接着が不完全な場合は走行中に脱落したり、また、接着剤がベアリング 内に入り込んで性能を落としたりします。
 そこで、接着方法を工夫して、ベアリングに一切悪影響を与えずに強力な接着を 実現し、同時に、ブッシュ形状も工夫して、見た目をすっきりさせ、埃の侵入にも 強くしています。


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完成したパーツ
 950ベアリングに520ベアリングが内蔵されている様子が分かります。これは、 古典的な手法です。
 ベアリングローラーセットに付属のブッシュを削って、520ベアリングを支持で きる様に改造しています。

使用例
 ブッシュを改造しているので、通常の950ベアリングの様に取り付ける事が出来ます。見た目も非常にすっきりしており、組み立て易くなっています。
 また、ブッシュが520ベアリングを完全に覆い隠している為、埃の侵入にも強く、汚れたコースでも安定して回転します。

作り方
 付属のブッシュを削って、520ベアリング対応のブッシュに改造します。
 最初に、ブッシュには掴み代が無いので、軽いテーパーを付けた2ミリの軸(ヘソの部分)のヤトイを作ります。
 一番爪に当たる部分にポンチマークを打っておくと、再度利用出来ます。

ブッシュを圧入する
 ヤトイにブッシュを圧入します。真鍮のハンマーで軽く叩いて落ち着かせます。

旋削
 520ベアリングを押さえられる様に、ブッシュの出っ張りを削ります。臍部の出っ張りは0.5ミリ、直径は3.5ミリくらいです。

取り外し
 削りあがったブッシュをナイフ等でコジッてヤトイから外します。

ブッシュ完成
 出来上がったブッシュです。

接着準備
 綿棒に嫌気性接着剤(LocTite271等)を僅かに付けます。
 この接着剤は酸素が遮断された部分のみが硬化します。

塗布@
 950ベアリングの内面に極薄く塗ります。

塗布A
 520ベアリングの外周にも極薄く塗ります。

ハメアワセ
 2つのベアリングをハメアワセます。写真のように、未加工のブッシュで520ベアリングを挟み込む様にして組み立てます。

位置合わせ
 ベアリングとブッシュの隙間が上下で同じになるように、真鍮ハンマーで軽く叩いて、位置合わせをします。嫌気性接着剤は意外と早く硬化するので、手早く作業します。
 数分で接着され、使用出来ます。接着は極めて強力です。もし外す場合は200度程度にオーブンで加熱します。