第2世代抵抗抜き
概要  VSシャーシに摩擦軽減処理を施しました。ポイントは、@耐久性を損なわない事、A再現性がある事、B簡単な事、C確実に効果がある事の4点です。


←1つ戻る ←←目次へ戻る

全景
 クラウンギア(桃色)の側圧がシャーシとの摩擦で支えられている点が最大の問題点です。この点を中心に対策しています。スパーギア(黄色)の側圧は僅かなので、無視しています。

シャーシ
 シャーシはレース中に破損して交換する場合に備えて、無加工で利用しています。
 赤丸で示す2個所のベアリングを、シャーシに接着しています。これが、本抵抗抜きのポイントです。クラウンギアの側圧はこれらの接着部を通じてシャーシに伝えられます。
 また、ホイルに加わる側圧は、接着部には加わらない様に工夫して、接着の外れを防いでいます。

リアシャフト
 車軸とベアリング、ギア、パイプ、は一切接着していません。
 この為、車軸は左右に動く事が出来ます。従って、ホイルに加わる力でギアのかみ合わせが変化しません。
 また、ホイルとシャーシのクリアランスは調整する必要がありません。
 クラウンギアに加わった側圧は、車軸には伝わる事なく、真鍮パイプを通じて、シャーシに接着したベアリングに伝えられます。

クラウンギアの加工
 シャーシを加工しない反面、クラウンギアに加工が必要ですが、これは簡単です。
 写真右が加工前、左が加工後です。
 ホブとギア裏面の双方(図に赤色で示す)を旋盤で削り取ります。ギア全体を薄く削るイメージです。
 この削った分だけシャーシのリブとの間に僅かなクリアランスが生じ、摩擦が無くなります。さらに、コースアウト等で過度な負荷が加わった場合は、ギアやシャーシがクリアランス以上にたわんで、ギアをリブがささえ、抵抗抜きにありがちな、歯の損傷を防ぎます。

パイプ
 外径2.7ミリ、内径2ミリの真鍮パイプを30.4ミリにカットしたものです。
 クラウンギアの側圧はこのパイプを通じてシャーシに接着した左側のベアリングへ逃がされます。
 ギアが振れない様に、端面は旋盤等で垂直に加工しておきます。

フロントシャフト
 リアシャフトと同じく、車軸とベアリング、ギア、は一切接着していません。
 この為、車軸は左右に動く事が出来ます。従って、ホイルに加わる力でギアのかみ合わせが変化しません。
 クラウンギアに加わった側圧は、ワッシャを通じて、シャーシに接着したベアリングに伝えられます。

クラウンギアの加工
 リア同様に、クラウンギアに加工が必要ですが、加工内容は異なります。
 写真右が加工前、左が加工後です。
 ホブ面はそのままとし、ギア裏面(図に赤色で示す)を旋盤で削り取ります。
 また、ホブ部をシャーシの穴に入る程度まで細くします。
 図の左端は厚さ0.5のワッシャで、真鍮パイプを切ったものです。
 リア同様、過度な負荷に対しては、、ギアをシャーシがささえ、抵抗抜きにありがちな、歯の損傷を防ぎます。