ネジ埋め込みホイル
概要  スーパーX用ネジ止めホイルは、待ちに待ったパーツです。これで、ホイルが古くなって穴が緩くなり、走行中に抜けると言う事故も無くなります。
 しかし購入してみると、造りが凝りすぎていて、思ったように使いこなせません。また、ホイルの振れ等の精度も出難い様です。そこでシンプルに改造して、これら問題点を解決しつつ、便利に使える様にしています。
 改造のポイントは、ホイルの軸穴部分が、ネジ止め式になった為に、太く・頑丈になった事を利用して、ここに「スピンサート(商品名)」と呼ばれる樹脂用雌ネジを圧入すると言うところです。


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挿入部分
 スピンサートを挿入した部分です。ホイルの軸保持部分は、今までは直径が小さすぎて、直径を広げてスピンサートを圧入する事が出来ませんでした。しかし、今回のネジ止めホイルでは、この部分が強化され、写真の様に十分な肉厚があります。

装着したところ
 このホイルは車軸にねじ込んでから、ナットを締めて、固定します。
 本方式では、トレッドの微調整が可能で、車軸軸受けのクリアランスが精密に調整出来ます。同時に、車軸と密に接合されますから、何度も組み立て直しても、ホイルの振れ等の狂いが発生しません。

スピンサート
 これが圧入する「スピンサート」です。大阪では日本橋のナニワネジ等の専門店で入手出来ます。
 ネジが2ミリで長さが5ミリの真鍮製を利用します。ローレットの掛かっていない方から挿入します

下穴加工
 2ミリのスピンサートは3ミリの下穴を開けて圧入します。
 下穴は芯振れ等が無い様に、ボール盤等で慎重に開けます。僅かな芯振れは後の工程で補正出来ます。

圧挿準備@
 アルミパイプ等のステーにスピンサートをネジ止めします。アルミパイプは変形していないものを利用します。

圧入準備A
 ボール盤のチャックにステー部分を咥えます。ボール盤は回転させません。

圧入
 最初に、スピンサートの先端の3ミリの部分を下穴にきっちり嵌め込みます。その後、チャックを手で回してみて、振れが無い事を確認します。
 続いて、ボール盤の送竿を下げてゆっくり圧入します。チャックは少しづつ回転しながら、進んで行きます。
 スピンサートの端面がホイルの端面とツライチになったら出来上がりです。

軸の取り付け
 ネジ加工した車軸にダブルナットで取り付けます。以後の加工はこの軸を芯にして行います。

芯出しと端面加工
 車軸を3つ爪で加えて、旋削加工を行います。
 最初にホイルの端面の車体側をスピンサートが現れる迄削ります。続いて、外周を削り、芯を出します。
 車軸を介してチャッキングしていますので、力が掛かりすぎると、破損しますから、切り込みは浅くします。
 この段階で、ホイルの巾を8.5ミリにしておきます。

ゴムタイヤを接着し、研磨
 大径ゴムタイアを接着し、平らに研磨した所です。接着は、タイヤを嵌めてから、隙間を広げて、そこに、低粘度の瞬間(アルテコ711等)を滴下すると失敗が少ないです。

大径タイヤを伸ばす
 35ミリの大径タイヤを作る為に、通常のタイヤの上から、もう一重ゴムタイアをはめます。
 しかし、無理に嵌めるとちぎれるので、先に伸ばしておきます。
 やり方は、タイヤを熱湯に漬けて取り出して、熱いうちにフィルムの容器に嵌めます。これを2〜3分煮沸し、水冷します。
 写真右側が伸ばしたタイヤです。

側面の研磨
 フライスの主軸を傾けて側面をそろばん状に研磨します。
 NTカッターから発売されている鉄製の研磨板(商品名は忘れました)の細目が都合良いです。これを、15角の角材に貼り付けて使用します。
 ドライの高速回転で粗削りを行い。仕上げは石鹸水を付けて低速で行います。何れもテーブルを左右に動かしながら行います。

スピンサート挿入ホイルとシャフト
 スピンサート挿入ホイルは素晴らしく耐久性があります。但し、ホイルをネジで固定するので、ロックナットの絞め方に工夫が必要です。
 先ず、車体の左のホイルは駆動力によって、「締ろう締ろう」とするので、ホイルの内側にロックナットが必要です。
 本車では、シャフトの先端だけネジを切り、ナットを止まる所まで固くねじ込んでストッパーとしています。絶対これ以上締りません。

ホイルのロック@
 逆に、車体の右のホイルは駆動力によて「抜けよう抜けよう」とすつので、ホイルの外側にロックナットが必要です。
 写真では、車体左(写真では右)のホイルは内側にロックナット(固定)、車体右(写真では左)のホイルは外側にロックナットを締めている様子が分かります。

ホイルのロックA
 ホイルを逆から見た所です。こちらからは、ロックナットは不要です。