両受け超速ギア
概要  中間ギアの摩擦損を軽減する試みです。通常、中間ギアにはベアリングを一つしか挿入出来ません。この為、ベアリングの無い側の軸受けは軸と摩擦しています。ところが、中間ギアは結構回転数が高い上に、モータのピニオンと、車軸のスパーギアに段差があるために、ギアを傾ける力が加わり、摩擦で保持している側の軸受けに力が加わる事もあって、ここでのロスは馬鹿になりません。そこで、中間ギアの両端にベアリングを入れてみました。

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旋盤の準備
 磨きシャフトをチャックに咥え、複式刃物台を動かしてマイクロメータの振れを観察して、複式刃物台の角度を調節します。
 往復台を動かして送るには工作物が小さすぎるので、複式刃物台のみで送るからです。

ギア切削用のヤトイ
 ギアを咥えるために、ヤトイを削ります。削った直後は完全に芯が出ています。しかし、再度咥え直すと芯が狂いますから、その時の為に1番爪の部分にマジックでマークを付けています。このマークが必ず1番爪に来る様に取り付けます。
 しかし、3つ爪を使う限り、少し芯は狂います。

ヤトイにギアをはめ込む
 ヤトイに中間ギアを嵌め込みます。ハメアイは、ギアを切削しても取れないよう、少し硬い目にしておきます。

ギアの穴ぐり
 穴ぐりバイトを付けて、ギアの中に7.8ミリの穴を開けます。この時、ギアのしっぽは取れてしまいます。

加工済のギア
 加工がすめば、穴の中に7ミリのシャフトを差し込んで少しコジッてギアを取り出します。取り出したところです。

次にボスの加工を行います。
 20ミリのデルリンのシャフトを4センチ程度に切断して、端面を整え、ドリルで3ミリの穴を貫通させます。

 ベアリングの穴1
 穴ぐりバイトで、620ベアリングが嵌まる穴を加工します。

外径の切削
 最初に外径9ミリに削り、続いて、ギアのハマる部分を削ります。

突っ切り
 全長10ミリのところで突っ切ります。

ベアリングの穴2
 反対側には5ミリのベアリングの入る穴を加工します。続いて、外径を6ミリまで削ります。この部分が太いとケースに接触するので注意します。

仮取付
 加工済のボスにベアリングを取り付け、シャーシに取り付け、確認します。問題が無ければ、ボスにギアを嵌め込みます。

完成図1
 取り付けるとこんな感じです。外側に620、内側に520のベアリングを使っています。

完成図2
 ボスに設けたフランジでギアの位置を決める為、高い精度で組み立てられます。