電池加熱器
概要  重要な注意!:電池が爆発して極めて危険です。決してこの実験を模倣しないでください。ここでは、十分な防護措置を施した上で自己責任において行った実験を紹介しています。

 通常、NiCd電池の方がアルカリマンガン電池よりスピードが出ます。なぜなら、NiCd電池は1.2Vとアルカリ電池の1.5Vより電圧は低いものの、内部抵抗が低く、電流が多く取り出せるからです。
 しかし、温度を上げてやれば、アルカリ電池も内部抵抗が下がり、アトミック等の(タミヤレギュレーションの)モータを十分駆動出来る電流が取り出せる様になります。
 さらに、温度によっては、アルカリ電池の方がスピードが出る場合があります。
 そこで、本機は電池を加熱し、NiCd電池以上のパワーをアルカリ電池から取り出す事を可能にします。
 具体的には、NiCd電池を使用して5.58m/sの速度が出るマシンに、80℃に加熱した(危険!電池が爆発します。決して模倣しないでください)を使用すると、6.08m/sに10%近く速度が向上します。(錦斗雲マグナムによる実測値)

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温度とエネルギー
危険!電池を加熱しないでください
 同じ負荷で電池を放電させ、5秒毎に取り出せたエネルギーを示します。
 上が50℃、下が20℃の場合です。温度を上げると取り出せるエネルギーが増えています。

全景
 本機は、帰還制御で精密に温度を管理し、30°から100°の範囲で電池を加熱します。
 画面左部が電池加熱部で、中央部に制御回路を設けています。黒く見える部品は、制御トランジスタの放熱器です。

ヒーター接合部
 3Ωのセメント抵抗を、アルミ製の加熱板に耐熱接着して、ヒーターとして使用しています。
 この抵抗に5Vの電圧を加えて、電池を加熱します。画面左の小さな黒い部品が、温度検出用のサーミスタで、加熱板に熱結合してしており、ホイトストン・ブリッジ回路によって、電源変動によらず電池の温度を測定します。

電池取り付け部
 電池は開口部から挿入します。電池が所定の温度になると、LEDが消灯して、加熱修了を知らせます。