VS−1C
概要  益々複雑化するミニヨン天国のスプリントコースに対応する為のマシンです。「左前のローラーをブリッジの下り坂のフェンスに引っ掛ける」と言う奇妙な方法でレーンチェンジをクリアするシンプルな構造のマシンです。
 26ミリと、極限まで小さな大径タイヤを装備して最高速度を3.6秒JC程度に抑えています。


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全体
 前後に2tカーボンのバンパーを装備しただけのシンプルな設計です。

左側面
 スラストは、フロントは4度程度、リアはありません。
 タイヤが小さく、トレッドも狭いので、カウルにホイルの切り込みが不要で、スマートで、ソーラーカーを思わせるデザインです。

右側面
 左右のローラーセッティングが非対称となっています。
 セーバーのカウルは昔から大好きです。セーバーと言えばマコト君、ミドリの2001です。

前部
 左前のバンパーはベアリングより上にあります。また、ベアリングの下は、アルミスペーサーとスタビ玉のみとなっており、ブリッジの下り坂のフェンスを、このベアリングの下面で引っ掛けて、左ロールを防ぎます。
 右前のローラーは、比較的低い位置に設けており、ブリッジの上り坂で、右に僅かのロールを生じさせます。このロールにより、ブリッジ下り坂での左ロールを少しだけ打ち消します。

後面
 ブリッジを抜けた後で、右後ろ下のローラーがフェンスを外れると、コースアウトするので、後部の下このローラーは地上1ミリに設けています。
 左後ろのローラは830を極限まで低い位置に、950をバンパーの下面に取り付けています。

ブリッジ通過の説明
ブリッジの頂上手前の左カーブ  比較的低く設定された前右ローラーの働きで、車体はごく僅かに右ロールした状態となる。このロールによって、後に生じる左ロールが少しだけ軽減される。
ブリッジの頂上の直線部  ごく僅かに右ロールした状態のまま、左フェンスに衝突するまでジャンプする。
ブリッジの頂上後半の右カーブ1  最初に左前ローラーがフェンスに接触する。この接触でマシンは右に曲がろうとし、左ロールを始める。このロールが強すぎると、マシンは水平姿勢を崩して、コースアウトする。このロールを防ぐのがポイントである。  ポイントの一つは、26ミリまで削り込んだ大径タイヤである。


イナーシャを軽減する26ミリの大径タイヤ

これによって、イナーシャを減少させて、ジャイロ効果によるロールを軽減する。もう一つのポイントは、後に説明する。
ブリッジの頂上後半の右カーブ2  マシンは前方向にジャンプしているのに対して、コースは下り坂であるため、数センチ程度前進すると左前ローラーはフェンスを離れる。ローラに変わって、ローラーの下に取り付けたアルミポールがフェンスと接触する。この間もマシンのロールは続いているが、この時点での傾きは未だ僅かである。
ブリッジの頂上後半の右カーブ3  さらに、左後ろ上ローラーもフェンスに接触する。マシンのロールが激しければ、左後ろのキノコがフェンスに接触して、ロールを僅かに抑える。


ローラーを引っ掛けて水平姿勢を保つVS1C

 また、左前ローラー下面が左フェンス頂上に接触し、ロールを大きく抑制する。ここが、このセッティンぐの2つ目のポイントである。
ブリッジの頂上後半の右カーブ4  マシンは次第に落下するが、これより下り坂の方がキツイので、マシンはコースから相対的に浮き上がる。左後ろ下のローラーがマシンを支える。  前ローラー下面は相変わらず左フェンス頂上と接触して、ロールを抑制しているが、この接触から受ける力によって、マシンをロールさせていたエネルギーは、マシンを水平に持ち上げる力に変換され、殆ど失われている。
ブリッジの下り坂の直線前半  マシンの落下と、コースの下り坂が合致して来る。前ローラ下面は左フェンス頂上を次第に離れ、後ろ上のローラーがかろうじてフェンスと接触する。この姿勢を保って坂を下る。
ブリッジの下り坂の直線後半  マシンの落下が進み、前ローラ下面は左フェンス頂上を離れて、車輪が接地する。