STWチャネルトレーサ
概要  駆動位置は中央、重心位置後部が理想的であると言う新理論を検証する為に 設計した試作マシンです。
 SCOTT TIGER Vを軽量化してワンモータに変更したマシンとも 言えます

・駄説
 ミニ四駆の事を、タミヤの商標逃れの意味で「フェンスカー」と呼称する事 がありますが、工業的には、通路の形状は「チャネル」と呼ばれる形である為、 「チャネルカー」と言う呼称が適切ではないかと思います。
 チャネルとは、「壁にかこまれた空間で、中を何かが通る」と言う場合に使 用される言葉で、良くみかける所謂「コの字型鋼」も、「チャネル」と呼ばれ ます。
 本車はこのチャネルを正確に走る(トレースする)と言う願いを込めて命名 されています。

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全体図
 特殊な重心位置と駆動位置を実現する為に、市販のシャーシを使用していません。
 パーツは1.6tのGFRP(プリント配線板)から作っています。カーボンを使わないのは、コストダウンの目的です。理想的には、1.2tのカーボンを使いたい所です。

側面
 前のローラは重心から離れているので、あまり力はかからず、フロントのダウンスラストは7.5度とフリースタイルとしては、きつめでも問題ありません
 サイドバンパーの前後にスタピライザーローラーを取り付けて、ローラーが受けた力を、シャーシに伝えずに、直接路面に逃がしています。これにより、シャーシには殆ど剛性が求められません。

上面
 車体の前半部には、殆どパーツがありません。中心部にホイル、そして、モータ、電池の順に搭載しています。
 ホイルが中心部にあると、コーナリング時にもホイルが正しく進行方向を向く為に、斜め走りをする事がなく、無駄な摩擦が軽減されます。
 また、重心を、後部に寄せる事で、殆どの遠心力を、ダウンスラストの付いていない後部ローラーを通じて逃がし、ダウンスラストの付いている前部ローラーにかかる力を減らして、摩擦を軽減しています。

前部
 バンパーは垂直構造です。衝撃を吸収し、傾きに対しては高い剛性を持っています。

電源回り
 通常ミニ四駆のスイッチはとんでもない定格オーバーで使用されています。これでは、接点損失も無視出来ませんし、寿命も短くなります。そこで、本車では、電源スイッチには、5Aのリミットスイッチを用いています。
 NC接点を用いて、走らせない時は、テープ等でバーを固定し、OFFに設定しておき、走行時に、テープを剥がせば電源が投入されます。
でかいモータでは、20Aは流れますから、これでも定格オーバではあります。

ギア部
 単純な一段減速です。ギア比は2.5対1、ホイルは22ミリの小径です。
 ベアリングは、5−6ミリの段付き穴を開けて、固定していますから、フランジ付を使う必要はありません。

分解図
 パワーユニットはネジ3本でバンパーから外してメンテナンス出来ます。

パワーユニット
 パワーユニットはFRPで出来た2枚のシャーシボードで構成され、大八車の形状をしています。
 電池と、モータはシャーシボードに挟まれて固定されています。

電池取り付け部
 電池は2本まとめて、中央にテープを巻き、左右にズレない様にした後に、シャーシボードのめがね型の穴に通して固定しています。非常に取れにくいです。

シャーシ分解図
 さらに、ホイルとギアを外せば、シャーシボードも外れます。電池を固定する為の、めがね型(ウチマス巡査の目玉の型)の穴が良く分かります。