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VOCALOID入門
デュレーションや歌詞による変化
目次
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デュレーションや歌詞による接続の変化
音の接続は、母音、子音の差や、音と音とのギャップ、
それに、母音や子音の種類によって変化します。
デュレーションや歌詞の設定と合成される音声の関係を
実際の分析結果に沿って説明します。とは言え、合成は
多くの条件を参照して行われますので、場合によっては
ここに示すものとは異なる動作を行います。
デュレーション
「あ、い、う」等の接続性の高い母音では、ギャップ(音
と音の隙間)が小さいうちは、連続音として処理され、滑らかに接続
されます。デュレーションを小さくすることで、ギャップ長が増加し、
一定の閾値を超えると、
連続音としてではなく、独立音として発声されます。
結果として、音と音の間に無音期間が置かれます。
ですから、希望どおりに発音されるように、ギャップ長を
設定する必要があります。
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ギャップを1/64ずつ大きくした例(テンポ120)
図は「あ」を連続して発音した例です。ギャップが3/64以下であれば、音は連続したものとして
処理され、途切らせることなく発声し、ピッチも滑らかに
変化させます。
ギャップが4/64以上になると、突然、音は個別のものとして
認識され、区切って発声し、ピッチも若干のポルタメントを
残しつつも、速やかに変化します。
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デュレーションとアタック
また、デュレーションが短くなると、上行音において、
アタックが強調され、立ち上がりの鋭い、振幅の大きな
波形が作られます。下行音ではこの傾向はあまり目立ち
ません。
歌詞と接続
歌詞によっても音の接続は変化します。
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左:ア行の発音 右:カ行の発音
母音のみで構成される「ア行」を連続して発音すると、連続して
発声され、ピッチも滑らかに変化します。
但し「え」は発声時に一度レベルが下がります。
子音を含む「カ行」を発音すると、たとえギャップがなくとも、
区切って発声されます。子音発声のためには、一度発生が止まる
必要があるからと思われます。
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ア列(アカサタナ)の発音
図は、ア列(アカサタナ)を発音した例です。
このように、子音を含む音列は、
母音のみによって構成されるものとはことなり、
音と音が区切って発音されます。
また「か、た、は」は子音をはっきりと発音するために、
音の前に無音期間が作られることが分かります。
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