美味しく、むき易い半熟卵
 簡単にスルッとむけて、白身はしっかりと固まり、黄身はシットリと温泉玉子状態になったゆで卵の作り方を紹介します。
 前回は、殻が割れるのを恐れて、水から茹でる方法で、半熟玉子を作る方法を紹介しました。
 しかし、水から茹でる方法は、玉子が新しい時に、薄皮が白身にくっついてしまい、大変剥き難い場合があります。
 そこで、今回は、あえて殻が割れる場合があることを覚悟して、沸騰水に玉子を入れて茹でます。
 こうすることで、卵内の二酸化炭素(新鮮卵には多く含まれる)の膨張によって生じる卵殻内圧力で、卵白が卵殻膜に浸潤する前に、固化しますので、卵殻膜に癒着することはなく、ツルッとむけるゆで卵になります。  ただし、10個作ると、1つか2つは殻にヒビが入ります。しかし、沸騰水中ですので、ヒビ部分の白身は瞬時に固まり、白身が大きくはみだすことは、実験した範囲ではありませんでした。また、実験の範囲では、お湯に酢や塩を入れる必要はありませんでした。


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作り方
  1. 玉子は水道水に漬けておきます。
    卵殻膜が十分に含水していると、卵白が浸潤しにくくなるという未確認の情報があるためです。
    その日の水道水の温度をこのとき測っておくと良いでしょう。
  2. お鍋に水道水1000ccだけを入れて、蓋をして強火に掛けます。
    単にお湯を1リットル沸かすだけです。
  3. グラグラと沸騰を始めたら、鍋にお玉で玉子をそっと入れ、蓋をして、時間を計りはじめます。
    玉子を入れたことで温度が下がるので、しばらくは強火を維持します。
  4. 玉子をいれて1分も経てば、湯温が元に戻り(100℃となる)ますから、弱火にします。
  5. 玉子を入れて5分経ったら、火を止めて、予め計量カップ等に用意しておいた、400ccの水を一気に入れます。
    100度のまま放置すると、黄身に熱が伝わり、硬くなってしまうのを防ぐためです。
  6. ここからは落ち着いて、温度を測りながら、かき混ぜつつ、少しずつ水を加え、お湯の温度を80度にします。
    水が冷たいと、入れる量は少なくすみ、暖かいと沢山必要です。季節で変化します。
    このときの温度を70〜90で変えると、黄身の出来具合を好みに応じて加減できます。
    この状態で鍋から取り出して、水で冷やすと、黄身が液状のゆで卵になります。
    上の5と6で入れた水の量の合計を覚えておくと、水温が同じなら、次回からはその量を一気に入れることで、80度になります。
  7. 再び蓋をして、10分待ちます。
    お鍋の上に乾いた布巾やタオルなどを被せると、温度が下がりにくくなります。
    ポットカバーのようなものを工夫しても良いかも知れません。
    火が消えている事を必ず確認して被せてください
  8. 10分待ったら、卵を鍋から取り出して5分間水道水に漬けます。
    玉子を入れた容器には、水道からチョロチョロ水を出し、水が温まらないようにします。
  9. 玉子の中の蒸気が卵殻膜と白身の間で凝結して、水となり、白身と卵殻膜を剥離させて剥き易くなるという、未確認の情報があるからです。

この方法のポイント
  1. 第1のポイントは、玉子をいきなり沸騰水に入れるところです。これによって、薄皮に白身が滲み込む前に固めてしまいます。その結果剥き易くなります。
  2. 第2のポイントは、5分間沸騰した後に、水を入れて温度を急に下げるところです。これによって、卵黄が煮えすぎないようにします。
  3. 第3のポイントは水を入れて80℃に温度を下げるところです。この温度で黄身の仕上がりを自由に変えることができます。
    70度:中央に微かに液部が残る
    75度:柔らかめにしっとり固まる
    80度:堅めにしっとり固まる
    もちろんこの時点で鍋から出し、水につけると、黄身が液状の半熟玉子になります。
  4. 第4のポイントは蓋をして温度を保ちながら、約10分待つところです。例え80℃に保ったとしても、短時間では卵黄はしっとり固まりません。

使用した調理器具
参考までに使用したおなべの大きさ等を紹介します。


  1. 20センチ(深さ11センチ)の蓋付ステンレス鍋
  2. 料理用デジタル温度計(シンワNo72979)ハンズで980円
  3. 味見スプーン(攪拌用)100均の品
  4. 電磁調理器(Sonetteブランド)