第一回総統杯30分耐久レース
出場マシンの紹介

 参加頂いたマシンをご紹介します。でどのマシンも丁寧な造りで、細部まで工夫が凝らされていました。解説は「ドクやまだ」の「ドク断」です。

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ビオス/ブレイジングマックス
 アトミックモーター、超速ギア、小径タイヤ、の組み合わせで、ポイント部門4位となった「ビオス」のマシン。スピードがありすぎて、ポイントがあと一歩伸びなかった。
 タイヤが小径であった為、スピード部門では大々径タイヤを装備したマシンに及ばず、11位となってしまった。
 電池交換ののちマシントラブルが発生し、長時間のピット作業が発生した事が悔やまれる。

TEAM SUGI/キラキンマグナム
 ポイント部門堂々優勝のマシン。アトミックモーター、超速ギアの組み合わせに、小径レストンタイヤを装備して、1108ポイントを叩き出した。ポイントは1200点が理論上の最高点だから、凄い値である。
 通常このセッティングでは、規準ラップより早くなってしまうのだが、グリップの強いレストンタイヤや、低い位置に取り付けられたフロントローラーで速度が調整されている。ワンウェイホイルの利用にも注目が必要だ。
 規準タイムよりも、僅かに短い目のラップタイムを維持し、電池の消耗に備えると言う、巧妙な作戦を展開した。
 カウルに付属のローラーをそのまま使っており、マグナムセーバーの美しいスタイルが生きている。
 電池の消耗は比較的速い。グリップの良いレストンスポンジタイヤの副作用かも知れない。

ドルガー/山ピー
 ポイント部門準優勝のマシン。FA130モーター、5:1ギアの組み合わせに、小径タイヤを装備して、1000ポイントを叩き出した。非常に低速の駆動系でありながら、それなりの速度が出ているのは、全てのローラーが水平にセッティングされていて抵抗が少ないからかも知れない。
 終始、規準ラップタイムよりも、1秒程度遅い速度で走行した為に、ポイントでキラキンマグナムに及ばなかった。
 Ni−Cd電池の最初のピークがゆっくりと減衰している事から解る様に、電池の消耗は極端に少ない。スピードが出ないので、焦って、何度も電池交換しているが、もう少し速い目のセッティングにすれば、30分をノーピットで走れるポテンシャルを秘めたマシンと思われる。

MAX−TIGER/ディオスパーダ
 アトミックモーター、超速ギア、大径タイヤの組み合わせでスピード部門5位に食い込んだマシン。
 真っ赤なカウルには、ちゃんとチーム名のステッカーが貼られていて、シンプルながらも丁寧な造りのマシン。
 加えて、滑らかなグラフは、安定した走行性能を物語っている。電池から、ローラーまで、全ての造りがしっかりしていて、初めて実現出来る性能であり、実に素晴らしい。
 ノーピットで走りきっている点にも注目したい。これは、走行抵抗の少なさを示しているので、タイヤがもう少し大きければ、確実により上位に食い込む実力を備えている。

ブルー/アバンテJr
 アトミックモータ、超速ギア、大々径タイヤと超高速のセッティング乍ら、スピード部門では残念ながら7位となってしまったマシン。しかし、ポイント部門では5位に食い込んだ。
 フロントのローラーが低い位置にある(恐らくブリッジチェンジャー対策)為、速度が伸び悩んだのではないか、と想像される。また、電池が18分程度で消耗していることからも、同様の事が言える。
 このレースにはブリッジは無いから、レーンチェンジ対策にこだわらず、フロントローラーを高い位置に移すだけで、スピード部門の上位を狙えるマシンだ。

マサアキレーシング/ディオスパ
 アトミックモーター、超速ギア、大径タイヤの組み合わせで、ポイント部門3位入賞のマシン。小刻みに点検のピットを行って、速度を調整する作戦を工夫したが、ちょっと速すぎてポイントが伸び悩んだ。
 電池消耗は比較的穏やかで、抵抗の少ないマシンと思われる。ダイヤの大々径化で、スピード部門の上位を狙えるし、逆に、タイヤの小径化等で、より高いポイントが狙えると言う、基本のしっかりしたマシンだ。白いシャーシと丁寧な塗装で美しい。

AMRF/アスチュート
 アトミックモーター、超速ギア、大々径タイヤの組み合わせで、スピード部門準優勝のマシン。
 シャーシの細部にまで丁寧な補強が施され、果てしないコダワリが感じられる。お馴染みピンクのカウルにキティーちゃんのデカールが美しい。
 シュルツ充電器を使用し、電池の保温にも注意が払われていた。
 第一ヒートの走りが非常に素晴らしい事からも、マシンの基本性能は相当に高いと考えられる。

FUJITA/大々径アバンテ
 アトミックモーター、超速ギア、大々径タイヤの組み合わせで、207周に到達し、スピード部門堂々優勝のマシン。
 スラストを非常に緩やかに設定した19ミリプラリングローラーの採用で摩擦を極限まで減らしている。
 グラフから、実力だけではなく、「運にも恵まれていた」事が解る。つまり、電池の消耗とは逆に、モーターが調子を上げて行き、電池の消耗による減速を補っているのである。
 下向けに設けた短いスタビポールのみで、この速度でさえコースアウトしない程の高速安定性を確保している点も、注目すべきである。

チームべーさん/ステアリングマックス
 アトミックモータ、超速ギア、大径タイヤの組み合わせで、スピード部門3位に入賞したマシン。
 19ミリプラリングローラーの採用で速度を伸ばした。ステアリングユニットの装備にも注目したい。
 速度の安定度がずば抜けているので、抵抗も少なく、セッティング次第で、更に上位を狙えるマシンと思われる。

スコットタイガー/塗りムラトライダガー
 全然駄目だった、ドクのマシン。アトミックモーター、超速ギア、大々径タイヤの組み合わせで前半好調であったが、後半コースアウトを繰り返し、リタイアした。
 2段アルミローラーを使用した4ローラーのマシンであるが、やはり高い位置にもローラーが無くては高速安定性の確保は難しい様だ。
 二段アルミローラーのフランジを、スパーギアを削った樹脂でプラリング化している細工が怪しい。
 速度変動には、パルス充電器の特徴が出ており、最初のピークが公称電圧に落ちる迄の時間が長く、なだらかになっている。

マジン/ファイターマグナム
 アトミックモーター、超速ギア、大々径タイアの組み合わせで、出走直後に、驚異的なファーステストラップを記録したものの、その後速度を落とし、スピード部門4位に留まってしまったマシン。グラフからも、速度の激しい変化が伺える。
 ホワイトのSuper1シャーシや、乱雑な切断の極薄いカーボンバンパーが怪しい光を放っている。最初の速度から見て、ポテンシャルは相当に高い。
 電池やモーターの調整が耐久向きに変更されれば、向うところ敵無しと言う可能性を秘めたマシンだ。

今日も遅刻です/ネオトライダガーZMC
 アトミックモーター、超速ギア、大径タイアの組み合わせで、スピード部門6位に食い込んだマシン。
 フロントのみ、大径ローハイトスポンジタイヤを使用して、グリップを軽減してコーナーの抵抗を減らす等の工夫が行われている。
 電池交換のタイミングは比較的早く、多分半分は残った状態で交換している。この方法では、平均速度は向上するが、ピットによるロスが心配だ。
 基本性能は相当に高く、さらにタイアの直径を増す事で、スピード部門上位への進出が可能なポテンシャルを秘めたマシン。