NHK技術研究所『テレビジョン受像機の作り方』


 テレビを自作する為の本です。当時は最先端の機器であっても、アマチュアが自宅で制作できました。技術が庶民の手に届く所にあった幸福な時代を象徴する本です。
 確かに、現在でも、例えば、PCの自作は可能です。しかし、当時と異なり、PCの自作は、買ってきた部品を接続するだけです。各々の部品はブラックボックスとして扱われ、内部には理解が及びません。
 技術が高度になり、専門外の人間には、理解が及ばなくなったと言う事もあるでしょう。しかし、技術に対する私達の接し方もおおいに変化しているように思えます。


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 これは、本書で紹介されている受像機の一つで、120mmのオシログラフ用のブラウン管を使ったものです。
 「この程度の大きさになれば、十分に受像を楽しむことができる。(中略)蛍光の色は緑であるが、実際に使ってみた結果では、あまり気にならないようである。」という紹介が泣かせます。

 バルクハウゼンの発振を押させる為に水平出力管に磁石を取りつけるという手法。近年、こういった工夫から、我々おおいに、遠ざかっています。