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大爆笑!「アイレン謎解きコーナー」 懲りずに登場した「2月Aバージョン」 なんともうしましょうか、重ね重ね申し訳ないコーナーでございます |
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以下の記述について |
アイレンは、その背景を詮索したり、謎解したりするような、無粋な話ではなくて、しみじみと味わうタイプの話だと思うのだけど、やっぱり、色々と妄想してしまうのは、物語を楽しんでいる証拠であります。田中先生お許し下さい。 「アイレンの背景はこれだ(2002年2月Aバージョン)」は以下の通りです。笑ってやってください。 2月Aバージョンでは、連載も39話まで進み、スペースコロニーの爆発の秘密も一部開かされたのを受けて、さらに妄想を膨らませています。 本版では、NDFの単離実験としてきた、従来スペースコロニーで行われていた実験を、#39で明かされたとおり、新人類創造の実験と考え直しています。また、イクルに移植された他者を、設定とおりに、あいの一部であるとしています。 ←1つ戻る ←←目次へ戻る |
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1.人類の発展 破綻した資本主義体制に代わって出現した、効率的な新経済体制(プラウト経済)のもとで、人類は繁栄し、多くのコロニーを建造して宇宙にも進出し、南極は地球の玄関口「アースポート」として賑わった。 また、人類は遺伝子を完全に解読し、そこから作り出される蛋白とその機能を分析し終えた。 2.温暖化と地域紛争 そのような中、地球温暖化が顕著になり、極地の氷が溶解して海水面が上昇し始めた。原因は不明である。そして、海水面の上昇により、平地面積は極端に減少し、農業用地、生活用地ともに激減した。 その結果、僅かとなった陸地を奪い合って、世界各地で紛争が発生した。とはいえ、大気候変動の為に、政府の機能や兵器の生産は停滞しており、前時代の遺物として廃棄を待っていた、生物兵器、化学兵器、核兵器を用いて、テロル、ゲリラ、といった小規模戦闘が、いつまでもダラダラと続いた。 長年続いたこれらの紛争の為に、地球は汚染され、人口は激減した。そして、人口が、利用可能な陸地面積と釣り合ったところで、紛争は下火となった。 3.遺伝子改良によるサバイバル 長年続いた戦禍によって、地球は汚染され、その環境では、人類は生存出来なかった。 国連は、この環境における人類が存続のための研究に、参加各国が全力を投入することを議決し、要請した。 これを受けて、極東地域では、国立遺伝子改良協会(National Association of Gene Improvement(NAGI))が設立され、人類及び、関連生物の汚染環境への適応が研究された。 そして、薙博士をリーダーとする研究グループが、遺伝子の改良によって、人類と関連生物を汚染環境に適応させることに成功した。これによって、人類は汚染による絶滅の危機を逃れた。薙博士が「人類の母」と呼ばれる所以である。 4.人工進化と種の寿命 薙博士はこれに飽き足らず、さらに遺伝子の改良を進めて、人類を究極の姿に進化させようとし、累々たる失敗の後に、スウィックス「ハルカ」を誕生させた。今まで自然に頼って進められたいた進化を、人類自身の力で行ったのだ。「もはや生命に神秘は無い」とまで語られるまでになった。 しかし、それは、傲慢な思い上がりでしかなかった。人類の生命力が低下し、人口の減少と文明の後退に歯止めがかからなくなり始めたのだ。種の老化である。人口統計は種の寿命があと200年しかない事を示していた。 無論世界中の研究機関が種の寿命を克服すべく研究を推進した。しかし、生命力低下の原因は解明できなかった。また、NAGIでは、さらに遺伝子を改良し、種の寿命にさえ打ち勝つ個体を作り出そうとした。しかし、この試みは、哀れな蛭子達を生み出しただけで、失敗に終わった。 5.もう一つの道 薙博士があくまでもDNAに拘ったのとは対照的に、一部の研究者は生命現象の中で、DNAで説明できない部分を追及していた。 特に、「ハルカ」成功の影で破棄された幾つかの失敗例の一人である「キリト」は、この研究の中心人物であり、不完全な体を機械で補いながら、勢力的に研究を続けた。 彼は、DNAは生命の情報を記録するメディアに過ぎないのであって、この情報を利用して、生命を機能させている、より上位の機構が存在する筈であると考えた。そして、現在問題になっている種の寿命も、この上位機構の変調によって生じており、それゆえDNAの操作によって、解決は出来ないと考えた。 彼は、この上位機構を「非DNA因子(Non DNA Facror=NDF)」と呼称して若干の論文を発表したが、当時、その在り処や働きは解明されそうにも無かったし、学会からは、オカルト的な亜流理論と見なされ、排斥、敬遠された。 5.キリトのNDF理論(友人への手紙より要約) 生物の作り出す蛋白質がDNAで決定付けられることは確かである。しかし、生命の歴史の中では、DNAを中心に据えた論議では説明できない事象が散見される。例えば、カンブリア期に爆発的に種が多様化したのは何故か、あるいは、通常の動物がキリンに進化する過程で生じた筈の、様々な首の長さを持つキリンの化石が発見されないのは何故か、つまり、複数のキリンが同時期に、一斉に首が長くなるという同一の突然変異を起こしたと考えざるを得ないのは、何故か、等である。 確かに、DNAは生命の情報を記録しており、その情報を変更すれば、個体の特徴は変化する。しかし、進化の方向性を決定し、生存の意志を生ぜしめる力はDNAには無い。DNAを中心に据えた生命理論では、これらは、度重なる偶然によって、淘汰された結果生まれ出でたとされているが、妥当な考え方とは思えない。 DNAをいかなる条件に置いても、そこからは生命体が生じることは無い。つまり、生命を構成するためには、DNA以外の何かが必要なのである。 つまり、DNAの情報を利用して、生命を機能させている、より上位の構造が存在する可能性があり、その解明こそが、現在人類が直面している危機を打開する鍵になるかもしれないのである。 6.呪いのテクノロジー その後もキリトは研究を続け、NDFが「場」であり、この「場」の作用によって、DNAが機能し、生命現象を生じることと、この「場」が、「物質」と「未知の力」の2要素で構成されている事をつきとめた。 彼は、この「物質」を「希望」と呼び、類似の物質の合成にも成功した。これが、後に「ヒト共生型擬似生命体」を生むことになるテクノロジーである。 しかし、謎として残された「未知の力」については「生命の進むべき方向を判断する未知の能力」であることしか解らなかったし、それ以上は解りそうにもなかった。 キリトはNDFの「場」が十分強ければ、人類のDNAは生命本来の活動を取り戻し、直面している種の寿命の問題を解決できると考えた。しかし、「希望」は合成できても、「未知の力」は今だ解明されていない。そこで、「未知の力」の代わりに、「ヒトの精神」を用いて、NDFの「場」を発生させる計画を立案した。 7.危険な実験 この実験は、人体に、「希望」を作用させ、「ヒトの精神」と「希望」を結合させた、新しい人類を造るというものであった。「希望」が「ヒトの精神」という判断力と結合すれば、その体から、NDFの「場」が発生するだろう。うまく行けば、その「場」は地球全体を覆い、人類を再び活力ある生へ導く事が出来るかもしれない。 しかし、本来、「希望」は「未知の力」と結合するものであって、容易には「ヒトの精神」とは結合しない。このため、両者を結合するためには、人体を高エネルギー状態に置く必要があった。 しかし、この実験は被験者に大変な危険を伴う。まして、はじめての実験である。そこで、闇市場から愛玩用少女素体を入手して、被験者として利用することとなった。 次に引用するのは、最高委員会によって、極秘とされた上、最終的には、抹消された実験時のボイスレコードである。 キリト:実験開始。 助手A:ロイヤー発振器起動、電圧上昇します。 助手B:この実験が成功すれば、人類に未来が開けるんだよ。 助手E:あなた、こんなところにイクルを連れてきちゃだめじゃないですか。 助手C:コッククロフト・ウォーリントン回路接続、整流状態は正常 助手B:記念すべき実験だよ、それに、私の作業はとうに済んだ。あとはお偉い先生方の仕事さ。 被験者:あー、あーい キリト:回路を被験者に接続、ホイトストンブリッジを接続して計測を開始 助手B:ほら、エネルギーが大きいだけで、前の実験と同じだろう?。 助手F:高エネルギー注入装置起動、「希望」接種開始。 助手E:でもみんな緊張してるわ。 助手A:発振器に異常共振、磁気回路が飽和しています。 助手F:NDF前兆現象観測、記録可能レベルまで3.2 助手C:レクタロイコア透磁率低下、熱変性、広がっています。 助手D:プレートコイル赤熱、冷却最大に、急げ 助手C:既に最大! 助手F:近づくな!危ない。 キリト:ラボの電源では、回路を焼き切る事はない、続行! 助手B:なんだか、うまく行っていないみたいだなぁ。 助手G:エネルギーが流入しています。バックゲートバイアスを超えます。 助手Bの息子:アブ〜 キリト:フィラメントの温度を上げて、振幅を安定させろ。ウィーンブリッジはどうなっている。 助手F:フィラメント焼損!。電源異常、電源棟で火災発生。 キリト:実験中止、全電源を切断、クローバ回路を起動して、全回路を閉鎖しろ! 助手G:全回路ラッチアップ、復帰しません。 助手D:やった!NDFを観測、データを…(以後記録なし) ※NDFの用語は、本来の意味である「Non DNA Factor」の意味と、その作り出す「場」である「Non DNA Field」の意味で混用されていると思われる。 この実験により、スペースラボは大爆発を起し、搭乗員は殆ど死亡した。 キリトの仮説には間違いがあったのだ。彼は、「希望」と「人体」が結合し、その「人体」からNDFが発生すると考えていたが、実際には、「希望」が「ヒトの精神」と結合すると、物質としての存在を解消して、「場」に転化するのであった。このときに、物質の一部がエネルギーに変換され、大爆発を生じたのである。 加えて、発生したNDFも「ヒトの精神」をベースにしたものだけに、不完全なものであった。このNDFは、全人類を救うのではなく、爆発で千切れ飛んだ赤ん坊の半身に興味を持ち、再び物質化して、その半身を補った。さらに、残す部分も、場として展開せず、物質化して、元の被験者の形態となった。 8.生存者 この事故の生存者は、イクル、被験者、キリトの3名であった。その後、イクルはその遺伝子情報から、このスペースラボの搭乗者と判明し、その後、ラボで暮らすことになる。 しかし、闇素体であった被験者は、遺伝情報の登録がないので、救助された後も、身元不明のAGHとして処理され、アイレンの素体として、福祉課に引き取られた。 9.南半球災害 事故の3人目の生き残りであるキリトは、完全なるNDF生成の夢を捨てきれなかった。なぜなら、彼にとって、NDFとは、生物に生きる意志を与え、DNAを機能させ、その進化を方向付ける、まさに、神であったからだ。 キリトの考えによると、NAGIが成し遂げた「人為的な進化」は生物としては行ってはならない事であった。進化は、NDFが方向付けるものであって、生物が自らそうするものではない。この禁を犯した人類を、NDFが、生命を統べる意志が、否定し、この結果、人類の生命力が低下していると考えたのである。つまり、知恵の実のみならず、命の実までをも、手に入れてしまった人類を、神が滅ぼそうとしているのが、現下の状況なのだ。 さらにキリトは、前回の実験で、曲がりなりにも「希望」と「精神」を結合させることができた、前回は素体として、愛玩用闇素体を利用したので、その精神も稚拙なものであったが、自分を素体として実験を行うことにより、自らNDFとなって、人類に明日を啓くことができるのではないか。つまり、彼は、神になろうとしたのである。 しかし、国連の最高委員会は、NDFの研究を一切禁止し、その事実も極秘とした。混乱を恐れたのである。 このためキリトは、偽名を使って、南極にある研究機関にもぐりこみ、衛星兵器の開発と偽って、NDFの生成実験の準備を進めた。南極には、地球最大の発電施設があり、エネルギーも無尽蔵に利用できた。 キリト以下、数名の有志グループが実験装置を起動したとき、その悲劇は起きた。すなわち、注入したエネルギーが何兆倍にも増幅されて、所謂「南半球災害」を引き起こしたのだ。 同時にキリトの体はNDFに転移し、放射された。しかし、彼の人体は、半ば機械で出来ていたため、その場は、主にコンピューターネットワークを通じて、世界のコンピューターに侵入した。 このとき侵入したNDFが発生させたのが、後に世界を驚かせるHITOのイメージである。 10.あい誕生 スペースラボの実験で、一度はNDFに転移したものの、再度物質化して現出した少女。彼女は永らく福祉課で凍結されていたが、ある日アイレンとしての使命を与えられて復活することになる。 物質化したとはいえ、その体内に「希望」を宿すその少女は、生殖能力を持つ、半人半神の未知の存在であった。従って、彼女の辿った経緯は、通常のアイレンとはかけ離れたものであったし、ハルカもその正体を見破ることが出来なかった。 一方、半身を物質化したNDFで補われたイクルは、その拒絶反応に苦しんだ。加えて、NDFの拒絶反応は、いくらDNAのレベルで検査しても、原因不明で、治療の術が無かった。しかし、NDFを内包するその体もまた、当時の人類が失っていた、生殖能力を備えていた。 しかし、ラボでは、イクルの症状に、NDFの臭いを嗅ぎ取り、その研究を続けた、しかし、いくらDNAレベルの検査を重ねても、物質化したNDFと融合したイクルの秘密を解き明かすことは出来なかった。 11.出会い そして、イクルと、アイレンとなった少女が、福祉課の素体保存室で出会う事になる。これが、アイレンの物語の発端である。 イクルは数ある素体の中から、ただ一体だけに、本能的な強い興味を感じた。何故なら、半身を補っているNDFによって、生殖能力を維持しているイクルは、地上では生殖の相手を見つけることが出来ずに、潜在意識のレベルで絶望していたが、凍結されたその少女に、自分の生殖相手としての可能性を感じ取り、本能的に生気を取り戻したのである。 |