二重球面関節素体(SJX89)研究試作
概要  二重球面関節を応用した素体を試作しました。

 本試作の目的は、二重球面関節の可動範囲、摩擦抵抗、強度等が手足の要求を満たす事を確認する事です。
 従って、実験用の二重球面関節をそのまま使用して素体を構成しています。また、胴体には関節を設けていません。このため、一部機能に制約があります。
 試作の結果として、可動範囲と耐久性は十分で、摩擦抵抗は少し少なめ、関節の見た目は多いに改善の余地あり、という事が分かりました。
 特に耐久性については、ムリに折り曲げても破損することなく、良好な性能が観察されました。
 関節の見た目については、実験用の関節をそのまま応用していることに起因する部分が大きく、今後の試作で徐々に改善する予定です。


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応用ポーズ1
 Mars氏より借用した頭部と装束を借用し装着したところです。
 肩と肘の可動範囲を利用して、榊原ヨーコちゃんお得意の、髪の毛を払う仕草ができます。
 ウエイターが高い位置にお盆を持って運ぶ姿勢も可能です。

応用ポーズ2
 正座も出来ます。
 しかし、体育の三角座りをするには、足の可動範囲だけでは無理で、胴体にも関節を設ける必要があります。

側面
 足と腕の可動範囲を示します。
 部分毎に色が違うのは、ありあわせの素材で作った為です。ABS樹脂、ポリアセタール、フェノール樹脂が混在しています。

正面
 肩部のシルエットが関節によって構成されています。
 胴側の関節は肩甲骨の動作を、腕側の関節は肩関節の動きを表現し、人間の腕が可能なあらゆる屈曲を再現できます。

肘関節
 肩と肘は二重関節、手首は単関節を使用しています。
 下腕は円錐、上腕は円筒で工作されており、いかにも前世紀のロボットを思わせます。

股関節
 股関節も、二重球面関節を利用して、十分な可動範囲を確保しています。

 まあ、なんてゾンザイな足でしょう。単関節で接合されています。

ストリング
 本体のストリングは今までのケブラー製に代えて、髪の毛をくくるゴムヒモです。
 ばね+ケブラーよりも、融通が利いて、便利です。但し、ゴムヒモには寿命があるので、時々交換する必要があります。

しまった!
 図面はすべて隠しておいたのに、ちょっとした不注意から、SJX89がそれを見つけてしまいました。
 それまで、自分が機械であることを知らなかったので、そうとうショックを受けた様子です。