布製半球関節人形(DMX90)
概要  DMX91を試作することで、布製の球体関節が問題なく動作することが分かりました。
 そこで、ここでは、関節球と、腕や足を一体化することで、部品点数を削減し、球体関節に由来する不自然な凹凸を減少させる方法を試してみました。
 また、肩関節の構造を改善し、形状安定性と、組み立てやすさを向上させています。
 さらに、胴体の型紙を工夫し、体のラインを立体的に改善しています。




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組み立て図
 DMX91では、完全な球形であった関節球が、本機では、半球となり、上腕部、大腿部、骨盤部、と一体になっています。

正面
 DMX91に比べて、接合個所が半減しているので、体型が多少滑らかになっています。

 なお、この時、上腕と胴体を接合する位置が間違っており、腕が、変に下のほうから生えています。

背面
 構造が単純になっていることが分かります。型紙を立体的に修正したので、例えば、臀部の丸みなどが、改善しています。

肩関節
 従来、関節枕を胴体に内蔵する方法で組み立てていた肩関節を、ポリプロピレンフィルムを用いた方法に改めました。
 この方法では、肩関節球の綿量を減らしても形態の安定度が損なわれず、より、柔らかに仕上げる事が可能で、加えて、組み立ても容易です。


 ポリプロピレンフィルムは、厚さ150ミクロンのもので、100円ショップの、クリアフォルダを直径30ミリ程度に切り抜いて作ります。
 上図は、ボディー内側から差し込んだピンを、関節球を貫通して、その開口部へ導き、ポリプロピレンフィルムを4枚重ねて入れた所です。この後、肩関節球に詰綿して、縫合し、下図のようになります。
 ボディーと肩関節球がよく馴染み、形態が安定している事がわかります。薄いフィルムを重ねているので、堅さも気にならず、容易に破損することもありません。

関節の屈伸



 股関節と膝関節の様子です。膝関節の屈伸の様子を示します。膝関節は殆ど360度屈伸します。(反対側にもまがっちゃう)
 本図では、関節の結合は、すべてピンを使っていますが、やはり、堅い部品を使うと抱き心地が悪いので、後に、縫い付ける方法に戻しています。

ボディーの型紙
 各パーツの下部、豚の蹄上に2つに割れた部分が、一体化した関節球です。肩関節のみは、運動範囲が大きいので、関節球が独立しています。  胴体のラインが自然になるように、体表面を円筒と球で近似して、立体的に裁断しています。