シンディー人形
ふわふわ抱き人形の
温かい体の作り方


詳しく作り方を説明するために、また、一回で印刷できるようにするために、このページはとても大きくなっています。このため、ページが表示されるまでに時間がかかる場合があります。しばらくお待ち下さい。また、型紙は、全ての写真が表示された後でないと表示されない場合があります。

ご案内


電熱装置を内蔵した温かいシンディー人形
 想像してください。あなたがフワフワの布人形を抱いたときに、彼女の体が、人間同様のぬくもりを持っていたら、どのような感触が得られるだろうかと。
 このようなギミックを「気味の悪いことだ」と感じられる方も多いでしょう。しかし、高齢者等に対するドールセラピーの現場からは、そのような’(ぬくもりのある)人形が欲しいという要求が発せられています。また、現実に、温かい人形の抱き心地は、あまりにも圧倒的なので、一度体験すると、否定的な先入観は消失し、その価値が理解できます。
 私は、この(ただ単に温かいという)ギミックが、少なくとも、犬の人形にモーターやギアを内臓して、知能がある振りをさせるギミックよりも、上品で心安らぐものであると認識しています。

 私は、別のページで、このような人形を作るために行った、様々な実験について報告しています。しかし、それらは、非常に特殊な技術を必要とする(RISKプロセッサのマシンコードを記述する必要さえある)ので、仮にそのような人形を作りたいと願う人がいても、参考にすることができません。そこで、わたしは、(分かりやすく作り方を説明する事にしている)シンディー人形のページに、彼女を温かくする方法を加える事にしました。
 私は、このテーマについて、すでに2年以上取り組んでおり、いくつかの方法を試みました。ここでは、その中で、最も簡単で耐久性のある方法を紹介していま す。

 構造を簡単にするために、この人形は温度制御を行わず、常時僅か8ワットの熱を発生します。このため、温度が安定するまでに、1時間程度の時間を要します。また、この人形が温かく感じられるのは、布団の中などの保温された場所でだけです。これにもかかわらず、この温かいシンディー人形は、あなたに、圧倒的な抱き心地を体験させま す。

概要

温かいシンディーのしくみ


温かいシンディーのしくみ
 温かいシンディーには電気コタツ同様に、外部からケーブルで電源を供給します。ケーブルは足先のプラグに接続されます。ケーブルを外した時に、足先のプラグが隠れるように工夫していますので、温かいシンディーはケーブルを外して普通の人形として利用することも出来ます。ケーブルの別の一端は、電源に接続されています。電源は安全に配慮して、電池を使用しています。電池は一晩程度持続します。

温かいシンディーの作り方

 温かいシンディー人形は通常のシンディー人形を元に次の手順で作ります。通常のシンディー人形の作り方はこちらをご覧下さい。ただし、温かいシンディー人形が最初からあなたの目的であれば、脛と肩関節はここにある方法で作れば、より簡単に作ることが出来ます。
  1. 電話用ケーブルを開いてヒーターを取り出します
  2. PS/2マウス延長ケーブルを加工して、電源ケーブルを作ります
  3. 電源プラグを内蔵した左脛を作ります
  4. ヒーターを通すことが出来るように、肩関節を改造します
  5. ヒーターをボディーに通すための長いゴム通しを作ります
  6. 4本のヒーターをボディーに通します
  7. 4本のヒーターを1つに繋ぎます
  8. ヒーターの抵抗値を測定して、電池の本数を決めます
  9. 電源を接続します
  10. 動作を確認します
材料と道具

材料

手芸用品店で入手

  1. 生成りのコットンシーチング(少々)
  2. 生成りの縫い糸

DIY店、あるいは、電器店で入手

  1. 電話用4芯モジュラーケーブル(4芯、6メートル、1本)

  2. 圧着端子(パイプ部の内径1.7ミリ程度、10個)

  3. 温度フューズ(95度〜105度、チューブラー型)

  4. 電気絶縁用テープ

  5. 針金(1メートル、直径1ミリ程度、AWG18〜19)

  6. 電池ボックス(単1電池用、リード線付き)


  7. 両面接着テープ(スポンジベース)

パソコン店で入手

  1. PS/2マウス延長ケーブル(2メートル程度、一本)

道具

  1. リッパー

  2. はさみ

  3. 千枚通し

  4. カッターナイフ

  5. ラジオペンチ

  6. ワイヤーストリッパー


  7. 圧着工具


  8. テスター(最も安価なもので可)

ご注意

  1. 重要な警告:このページに記載の人形の体内には電流が流れています。このため、感電、やけど、発火などが発生する可能性があり、これにより、火傷、心臓麻痺、火災、等の致命的な結果を生じます。このページの情報は、全てあなたの自己責任で利用してください。ドクとその関係者は、このページの内容と、これに関連して生じた事態と、その結果及びその影響について、状況の如何にかかわらず一切の責任を負いません。
     ドクは、この人形に感電の恐れの少ない低い電源電圧を採用し、火傷や火災の恐れの少ない低い出力を設定しています。これにもかかわらず、上記の警告にある事態が発生する可能性があります。
  2. 始める前に、ここと、型紙に書いてある説明を良くお読みください。
  3. このページを印刷する場合は、 ここをクリックしてください そして、印刷する前に、フレームのないページを表示してください。
  4. 水で消えるマーカーを主に使います。単に「マーカーで」と書いてあるときは、水で消えるマーカーを使ってください。
  5. 綿を詰めるときは、すでに詰めたものと比較しながら、同じ柔らかさに詰めてください。
  6. 詰め口を閉じるときは、縫い代を内側に折って、ラダーステッチで縫ってください。
  7. この説明では、見えやすいように、赤い糸を使っています。実際には、布に合わせた色の糸を使用してください。
ヒーター

ヒーターについて

 人形の体や手足は、時として強く引っ張られるため、一般のヒーターでは断線してしまいます。このため、とりわけ強靭なヒーターを使う必要があります。 そこで、強い力で引っ張られても断線しないように、ナイロン繊維で銅線が補強されている、電話用モジュラーケーブルを、ヒーターとして使用します。

ヒーターを取り出す

 電話用モジュラーケーブルは、細い4本の電線をビニールで覆ったケーブルです。ヒーターには細い電線を使うので、外部のビニールを開いて、内部の細い電線を取り出します。

電話用モジュラーケーブル
 これが、電話用モジュラーケーブルです。通常は、両端にモジュラーコネクタ(四角いコネクタ)を取りつけて販売されていますが、DIYショップ等で、ケーブルだけを購入することもできます。モジュラーケーブルは3メートルに切ったものを、2本用意します。あまり安価のものは、後で説明する補強用のナイロン繊維が入っていない場合があるので、適しません。


モジュラーケーブルの断面

外部の被覆を取り去ったところ
 このケーブルの内部には、細い4本(黒、赤、緑、黄色の4色)の電線が入っています。この電線を取り出して、ヒーターとして利用します。


ミシン用リッパー
 ミシンの縫目を外すリッパーを使えば、簡単にモジュラーケーブルの被覆を開いて、内部の電線を取り出すことが出来ます。


外部の被覆を開く
 内部の電線を傷つけないように注意しながら、リッパーで外部の被覆を切り開いてゆきます。


被覆と電線を分離
 被覆を最後まで切り開いてから、被覆と内部の電線を分離します。


取り出した電線
 分離した電線を、さらに、4本の電線に分けます。6メートルのモジュラケーブルを分解すると、4本の電線が得られます。

ナイロンが入っている事を確認する

 普通の電話用モジュラーケーブルは切れにくいように、ナイロン繊維で補強されています。しかし、安価なモジュラーケーブルの中には、繊維で補強されていないものがあり、この場合はヒーターがすぐに断線してしまいます。そこで、電線の被覆をはがして、ナイロン繊維で補強されている事を確認します。

内部の被覆をはがす
 ワイアストリッパーを使用してヒーターの被覆を剥がします。(剥がし方はこちら)被覆をはがすと、ねじった銅線が現れます。


ナイロンを確認する
 ねじった銅線を指で揉み解すと、より細い何本かの導線に分けることが出来ます。
 細い導線をさらに揉み解すと、内部から白いナイロンの繊維が現れます。
 銅線は、このナイロン繊維の周囲に螺旋状に巻き付けられているので、たとえ引っ張られて、繊維が伸び縮みしても、銅線はばね状に変形して、断線しないのです。
 もし、この繊維が入っていなければ、その電線は断線し易いので、ヒーターには適しません。

電源ケーブル

電源ケーブルについて


PS/2マウス延長ケーブル

ジャック

プラグ(シンディーの左足に内蔵します)
 ここでは、PS/2マウス延長ケーブルを電源ケーブルに使用します。延長ケーブルは、一方にプラグ(オスコネクタ)が、もう一方にジャック(メスコネクタ)が接続されたケーブルです。

電源ケーブルの加工

 マウス延長ケーブルを、プラグの付近で2つに切断し、プラグ側にヒーターを繋ぎます。

電源ケーブルの切断


ケーブルの切断


 プラグの先端から15センチのところで、ケーブルを切断し、長いケーブルと短いケーブルに切り分けます。プラグが付いている短い方のケーブルには、ヒーターを繋いで、シンディーの左足に内蔵します。ジャックが付いている長いケーブルは、電源ケーブルとして、シンディーの左足先と、電源を結びます。

被覆を剥がす



 切断した部分は、長い方、短い方ともに、端からおよそ2.5センチの位置から、外側の被覆を剥がし(剥がし方はこちら)内部の電線を露出させます。


 外側の被覆を剥がすと、内部から、数本の細い電線が出てきます。線の色はケーブルのメーカーによって異なります。
 細い電線の中には、ビニールで被覆されていないものが含まれる場合もあります。(図の一番下の線)。
 長いケーブル、短いケーブル共に、ビニールで被覆された電線の、先端から1センチ付近で被覆を剥がし(剥がし方はこちら)ます。  被覆を剥がしたら、電線を2組に分けます。写真では、被覆無し、黒、茶色、赤、の4本の組と、橙、黄色、緑、の3本の組、に分けています。出来るだけ同じ本数に2つに分ければ、どの色を組み合わせてもかまいません。但し、長いケーブルと、短いケーブルの分け方は同じにしてください。



 長いケーブルでは、2組に分けた電線をグループ毎に軽くひねって、撚り合わせておきます。

圧着端子の準備



 これが、圧着端子です。電灯線の高い電圧でも使用できるように、絶縁のための大きなスカートが付いています。シンディー人形は低い電圧を使用するので、スカートを切り取ります。



 スカートの上部からカッターナイフで切ります。



 このように、内部の金属パイプが、断面に露出しないように切ります。



 これは失敗です。内部の金属パイプが、図のように断面に露出すると、ショートするので、使用できません。

プラグ付きヒーター

 短いケーブルを加工して、左脛に縫いこむ、プラグ付きヒーターを作ります。プラグには、3メートルのヒーターを2本繋ぎます。この2本のヒーターは、6メートルのヒーターを真中で切って作ります。図では、説明の為に異なる色のヒーターを使用していますが、実際には、同じ色の2本のヒーターを使います。


 被覆を剥がした長さを確認します。圧着端子の突き当たりまで電線を差し込んだとき、被覆を剥がした部分が、丁度圧着端子の中に隠れてしまうくらいが適当です。
 被覆を剥がした部分が少し短くても構いませんが、長すぎると銅線が圧着端子の外にはみ出すので、中に隠れる長さまで銅線の先端を切ります。



 ヒーターの先端から1センチ付近で被覆を剥がし(剥がし方はこちら)ます。


 2組に分けたプラグの線のグループの一方(写真では、黒、茶、赤、裸のグループ)と、ヒーターを、指でひねって撚り合わせます。


 撚り合わせた部分を圧着端子に差しこみます。電線の先端が、端子の底に触れるまで、差し込んでください。






 圧着端子の内部の金属パイプの中央あたりを、圧着工具で強く挟んで圧着します。両手を使って力いっぱい圧着してください。




 このように圧着端子がヘシャゲて、電線同士が接合されます。


 同じ要領で、2組に分けたプラグの線のグループの一方(写真では、橙、黄、緑のグループ)と、温度ヒューズを圧着します。




 そして、温度ヒューズに、ヒーターを圧着します。ここでは、説明の為に異なる色(赤と緑)のヒーターを使用していますが、実際には、2本のヒーターは同じ色です。


 プラグの電線とヒーターを圧着した部分を、プラグ側に折り曲げて、糸でくくります。


 温度フューズとプラグの電線を圧着した部分を糸でくくります。


 2本のヒーターと、温度フューズのもう一端を糸でくくります。


 くくった部分には、ほつれ止めか、ボンドを塗ります。


 このように、ジャックとヒーターが繋がります。




 繋いだ部分に、絶縁テープを巻きつけます。ジャックの側から巻き始め、ヒーターの側まで巻いたらおり返して、再びジャックの側まで巻きます。プラグ付きヒーターが出来あがりました。

検査する

 ここまでの作業がうまくいったことを、検査して確認します。


 テスターの切り替えスイッチを「Ω(オーム)レンジ」に合わせます。Ωレンジが複数あるテスター(写真のテスターには、×1Ω、×10Ω、kΩ(×1000Ω)、の3つのΩレンジがあります)では、一番小さいΩレンジを選びます。
 Ωレンジでは、テスターから出ている2本の線の先端(プローブ)同士を触れさせると、メーターが振れます。


 先程テープを巻いたプラグを、ジャックに差しこみます。ジャックから出ている長いケーブルの先の2つの電線のグループ(図では、黒、茶、赤、裸のグループと、橙、黄、緑のグループ)にそれぞれテスターの先端を接触させます。テスターの針が振れなければ、配線は正常です。


 ジャックから出ている長いケーブルの先の2つの電線のグループの一方(図では、黒、茶、赤、裸のグループ)と、それが繋がっているヒーター(図では赤のヒーター)の端にテスターの先端を接触させます。テスターの針が振れれば、配線は正常です。


 ジャックから出ている長いケーブルの先の2つの電線のグループのもう一方(図では、橙、黄、緑のグループ)と、それが繋がっているヒーター(図では緑のヒーター)の端にテスターの先端を接触させます。テスターの針が振れれば、配線は正常です。

左脛

 左足の先端にプラグを縫い込んで、ここに、電源ケーブルを繋ぎます。このため、左の脛はプラグが内蔵できるように作り直します。

型紙と裁断

 温かいシンディー人形の殆どの型紙は、片脛を除いて、通常のシンディー人形と同じです。  次のリンクをクリックして、脛の型紙ページを表示して、ブラウザの印刷機能を使って印刷します。
  1. 脛の型紙を表示
これらの型紙を使って、自分用の人形を作ったり、バザーで少量販売する人形を作ることができます。この場合、人形本体や広告に「Cloth Dolls by doku@newon.org for the design」と明記してください。また、型紙や人形を大量に生産・販売することはできません。



 型紙を切り取り、テープで繋ぎます。


 布を折って、その上に型紙を置いて、縁をマーカーでなぞります。型紙の形状は、その後の改良で多少図と異なっています。


 型紙に太線で書かれたサイドラインを待ち針で止めてミシンで縫います。


 1センチの縫い代を残して、不要な部分を切り取ります。


 布を裏返しに置いて、その上に裏返した型紙を、縫目を合わせて置き、上の直線部をマーカーでなぞります。


 型紙にFOLDING LINEと書かれた位置で布を折り、待ち針で止めて、端から1センチまで、ミシンで縫います。

プラグ付きヒーターの取り付け



 プラグの先端が足先に来るように、脛に取り付けます。図は、取りつける位置を示したものです。


 脛の細いパイプ状の部分に、プラグを差し込みます。


 細いパイプの付け根の縫い代に切り目をいれます。


 プラグの胴の部分を糸で2箇所くくります。何度も巻きつけて、しっかりとくくってください。


 結び目が解けないように、ほつれ止めか、ボンドを塗ります。


 プラグの部分を中に入れるようにして、全体を裏返します。


 足先にプラグの先端が出ます。

わたを詰めて口を閉じる



 プラグが偏らないように満遍なく綿を詰めます。ヒーターを横によけて、詰め口を真中まで、ラダーステッチで縫います。


 真中まで着たら、ヒーターを反対側によけて、残りの部分を縫います。


 縫い糸を引いて、詰め口を閉じ、小さく2針縫ってから、結びきります。詰め口の中央部分から、ヒーターが出ます。


 プラグ付きの脛が縫いあがりました。


 プラグに、ジャックが繋がることを確認します。

肩関節の改造

 シンディー人形の肩関節は360度回転します。このままの状態でヒーターを内蔵すると、この部分で、ヒーターがねじれて切れてしまいます。これを防ぐために、肩関節のドールジョイントとプラスティックワッシャーを取り去り、肩関節と、ボディーを直接縫い付けます。肩関節の動きは制限されますが、作りは、ずっと簡単になります。

印を付ける







 肩関節とボディーの双方に、その接線にマーカーでしるしをつけます。つまり、肩関節(布の球)とボディーの双方に、丸いしるしが付きます。
 また、腕を胴体に沿わせた状態で、肩関節を縫い付ける方向が分かるように、直線のしるし(合印)を付けます。

肩関球の改造





 肩関節の詰め口を再び開いて、中のわたを取り出します。


 詰め口を開いて、肩関節の中のドールジョイントのピンをニッパーで切り取ります。布を切らないように、注意してください。


 ピンを切り取ると、肩関節はボディーから外れます。


 肩関節の中にある、プラスティックワッシャーを取り出します。




 再びわたを詰め、詰め口をラダーステッチで縫い閉じます。

ボディーの改造



 ボディー側面の詰め口を開いて、肩関節の裏にあった、ドールジョイントと、プラスティックワッシャーを取り出します。

肩関節を縫い付ける



 詰め口は、再びラダーステッチで縫い閉じます。


 合印を合わせて、ラダーステッチでボディーと肩関節を縫い合わせます。




 ぐるりと一周縫ったら、糸を引いた縫目を閉じ、小さく2針縫ってから、結び切ります。

もう一方の関節も改造する



 左肩関節の改造が完成しました。右肩関節も同様に改造します。

ゴム通し

ゴム通しについて

 ヒーターを人形の体に通すために、ゴム通しを使います。市販のゴム通しでも作業できますが、少し短いので、針金を使って、長いゴム通しを作ります。

ゴム通しを作る

 良質の針金を利用してください。粗悪な針金は不純物を含むため加工が難しく、また、切れ易いので、加工中にけがをする可能性があります。


針金
 市販の針金を90センチに切り取ります。


針金を伸ばす
 針金を指で端から伸ばして、だいたい真っ直ぐにします。


針金を折り曲げる
 針金を中央で2つに折り曲げます。


ペンチで挟んで巻き付ける
 折り曲げていない方の一端を、ペンチで挟み、巻き付けます。


ドライバーを引っ掛ける

ねじった針金
 折り曲げた方の一端にドライバーを通します。針金を巻き付けたペンチを足で踏み押さえて、両手でドライバーをくるくる回して、2本の針金をねじります。


ドライバーを引っ掛けた一端
 ドライバーが通っていた穴が、ゴム(ここではヒーター)を通す穴になります。この穴を、ペンチで縦長く押しつぶしておきます。 


ペンチで挟んでいた一端
 ペンチで挟んでいた一端は、切り落とします。そのままでは危険なので、写真のように、丸めておきます。


布で扱く

汚れが取れたところ
 針金には、製造時に汚れが付着していますので、そのまま使うと、人形を汚してしいます。布やちり紙で強く扱いて、汚れを落とします。

ヒーターを通す

 ゴム通しを使って、人形の体にヒーターを通します。一見馴染みの無い作業ですが、パンツにゴム紐を通すのと同じです。

作業のあらまし


全身配線図(前から見た図)
 ヒーターが、体の各部に均一に通っていないと、熱い部分や、冷たい部分が出来てしいまいます。そこで、上の図のように、体の各部に均一に通します。緑色の線がヒーターです。ヒーターは、腕のヒーター、足のヒーターの2種類があり、左右で合計4本あります。ヒーターの通し方はおおむね左右で同じです。

 作業は次の手順で行います。
  1. ボディー前面の縫い糸を開きます
  2. ヒーターの端は、ここで開いたボディーの合わせ面に出します。
  3. 4本ヒーターを別々に通します
  4. ゴム通しでヒーターを通します
    通したヒーターがずれないように、通す都度、糸で縫い止めます
    左脚ヒーターだけは、プラグが内臓されているので、通し方が違います。
    ヒーターは、布のすぐ下を通します。つまり、内部の綿と表面の布の間に通します。
  5. 4本のヒーターを一本に繋ぎます。
  6. 4本のヒーターを図に黒丸で示す部分で一本に繋ぎます。
  7. ボディー前面を再び縫い閉じます
  8. ヒーターを繋いだ部分は、縫い閉じたボディーの中に隠れます。

ボディー前面を開く




縫い線をマークする
 ヒーターを通す前に、ボディー前面で、左右のボディーを縫い繋いでいる糸を外し、前でボディーが開くようにします。
 ボディーを開いたら、次に縫い閉じる時のために、縫い線(針跡)にマーカーで印しを付けておきます。

ヒーターを通す

 次の手順で4本のヒーターをボディーや手足に通します。
  1. 左脛にプラグから出た2本のヒーターを通す
  2. 左脛から出たヒーターを左脚とボディー前面に通す

左脛にヒーターを通す



 左脛にはプラグから出た2本のヒーターが通ります。図の、濃い緑は前面を、薄い緑は背面を、中間の緑は側面を通るヒーターを示します。それぞれの矢印の先端(三角印のある側)が、ヒーターの出口(ゴム通しを差し込む位置)を、矢印の後端(三角印の無い側)が、ヒーターの入り口(ゴム通しを突き出す位置)を示します。


 脛を長さ方向に引っ張って、ヒーターを脛の中に引き込ませます。手を離すと、ヒーターは脛の中で、多少弛んで余裕を持ちます。この方が、断線し難くなります。


 ヒーターの出口に千枚通しで穴を空けます。


 ヒーターの入り口にも、千枚通しで穴を空けます。


 ヒーターの出口からゴム通しを入れ、ゴム通しの先が、常に脛の正面の布に触るようにしつつ挿入して、ヒーターの出口へと出します。突き出したゴム通しの先にヒーターを引っ掛けます。図では、左から右へ通したゴム通しの先端の環に、緑色のヒーターを引っ掛けています。


 ゴム通しを引きぬくとヒーターが脛の正面を上から下へと通ります。ヒーターは、断線を防ぐため、あまり強く張らず僅かに弛ませておきます。
 通したヒーターがずれないように、軽く縫い止めます。(縫い止め方はこちら)



 ヒーターの次の出口に千枚通しで穴を空けます。次の出口は、脛パーツのミミの部分の、5ミリ程度内側寄りです。


 空けた穴からゴム通しを入れ、ゴム通しの先が常に脛の側面の布に触るようにしつつ挿入して、先程ヒーターを引き出した穴から出します。突き出したゴム通しの先にヒーターを引っ掛けます。図では、右から左へ通したゴム通しの先端の環に、緑色のヒーターを引っ掛けています。


 ゴム通しを引きぬくと、ヒーターが脛の側面を下から上へと通ります。さらにヒーターを引っ張ると、足先に出来たヒーターのループが小さくなり、もっと引っ張ると、ループが足先に入り込みます。この入り込んだ瞬間に、引っ張るのを止めます。


 このとき、入り込むループが、図のNGの例のように、折れ曲がってしまう場合があります。このように折れ曲がると、ヒーターが断線する恐れがあるので、念の為に千枚通しを使って、ループがねじれないように支えながら、ヒーターを引っ張ります。
 ヒーターには、手足が引っ張られたときに、引き攣って断線しないよう、多少のゆとりを持たせておきます。通したヒーターがずれないように、軽く縫い止めます。(縫い止め方はこちら)



 プラグから出ているもう一本のヒーター(図では赤色)も、同じ方法で通します。最初に脛の背面を上から下へ向かって通し、次に脛の(既にヒーターの通っているのとは)別の側面を下から上へ通して、縫いとめます。

左脚と左ボディー前面のヒーター


左脚のヒーター
 左脚のヒーターは、図のように通します。濃い緑線は前面、薄い緑線は背面、中間の濃さの緑線は側面、にヒーターが通っている事を示します。  左脚には、プラグがあるので、ヒーターの通し方が右脚と違います。脛の上部から出ている2本のヒーターを、太腿の膝関節部から、通し始めます。
 左脛から出た2本のヒーターのうち1本は、太腿を経由してボディーの前面を通り、ボディー合わせ面の前面上部に出ます。もう1本は、太腿を通って、ボディーを少しだけ通り、ボディー合わせ面の背面下部に出ます。
 左脚と左ボディー前面のヒーターは次の手順で通します。
  1. 既に縫い付けている左脛を取り外します
  2. プラグを内蔵した新しい左脛を縫いつけます
  3. 左脚とボディーに左脛から出ているヒーターを通します

古い左脛を外す





 リッパーで縫い糸を切り、左脛を外します。太腿側の縫い跡には、再度脛を縫いつける場合の為に、×印を付けておきます。

新しい左脛を縫い付ける



 待ち針で太腿の下部左側の×印に、プラグを縫い込んだ脛の上部左側のミミ先端部分を止めます。

膝関節を開いたところ
 このとき、ヒーターは待ち針の下を通らずに、膝関節の裏側に出しておきます。


 待ち針で止めたミミ部分を、膝関節太腿側の×印に縫い付けます。


 同じように、待ち針で上部右側のミミ先端部分を止めて、縫いつけます。


 脛を縫いつけたところです。

左脚とボディー前面にヒーターを通す


前から見た図
 人形を仰向けに寝かせます。左脛の右側から出ているヒーターを、左腿の内側を腿の上部まで通し、続いて、左腿の前面を膝まで通し、膝から再び、背面を腿の上面まで通した後、股関節の継ぎ目を通って、ボディーを経由して、ボディー合わせ面背面下部へと通します。  図の、濃い緑は手前面を、薄い緑は向こうの面を、中間の緑は側面を通るヒーターを示します。それぞれの矢印の先端(三角印のある側)が、ヒーターの出口(ゴム通しを差し込む位置)を、矢印の後端(三角印の無い側)が、ヒーターの入り口(ゴム通しを突き出す位置)を示します。

前から見た図
 人形を仰向けに寝かせたまま、左脛の左側から出ているヒーターを、左腿の外側を腿の上部まで通し、股関節の継ぎ目を通して、ボディー前面を経由して、ボディー合わせ面前面上部へと通します。

関節にヒーターを通す
 関節の部分では、図のようにヒーターを通します。たとえば、脛(図の右側)の上部のミミの部分の内側から出たヒーターを、太腿(図の左側)下部の関節の継ぎ目(赤い線で示します)付近から入れて、太腿に通します。関節の継ぎ目の近くからヒーターが出入りするようにすれば、手足を曲げても、ヒーターに無理な力が掛からないので、断線しません。  

右脚とボディー前面のヒーター

 右足のヒーターは左足と殆ど同じですが、右足にはプラグが無いので、通す順序が違います。

右脚にヒーターを通す


前から見た図
 ヒーターの中央(6メーターのヒーターの真中の3メータの位置)にテープを張りつけて目印をつけます。
 最初に側面の、太腿上部の股関節の継ぎ目付近から、太腿下部の膝関節の継ぎ目まで、ヒーターを通します。出口から出たヒーターを、目印のテープがヒーターの入口(股関節継ぎ目付近)に来るまで、引っ張ります。入口部分に残った半分のヒーターは、あとで、ボディーの前面に通します。
 出口から出たヒーターを、脛に通し、再び、太腿に通して、最後はボディーを経由して、ボディー合わせ面背面下部へ通します。  図の、濃い緑は手前の面を、薄い緑は向うの面を、中間の緑は側面を通るヒーターを示します。それぞれの矢印の先端(三角印のある側)が、ヒーターの出口(ゴム通しを差し込む位置)を、矢印の後端(三角印の無い側)が、ヒーターの入り口(ゴム通しを突き出す位置)を示します。

ボディー前面にヒーターを通す


前から見た図
 側面の股関節の太腿側継ぎ目から出ているヒーターの目印のテープを外し、そのヒーターを、ボディー前面に通し、ボディー合わせ面前面上部へ通します。

腕とボディー背面のヒーター

 腕とボディー背面のヒーターは左右対称です。ここでは、右側だけを説明します。

腕とボディー背面にヒーターを通す


背面から見た図
 ヒーターの中央(6メーターのヒーターの真中の3メータの位置)にテープ(図に黄色で示す)を張りつけて目印をつけます。
 人形をうつ伏せに寝かせます。最初に背面の、肩関節球とボディーの継ぎ目付近から、肩関節の継ぎ目までヒーターを通します。このとき、出口から出たヒーターを、目印のテープがヒーターの入口まで来るまで、引っ張ります。入口部分に残った半分のヒーターは、あとで、ボディーの背面に通します。
 図の、濃い緑は手前の面を、薄い緑は向うの面を、中間の緑は側面を通るヒーターを示します。それぞれの矢印の先端(三角印のある側)が、ヒーターの出口(ゴム通しを差し込む位置)を、矢印の後端(三角印の無い側)が、ヒーターの入り口(ゴム通しを突き出す位置)を示します。  

前面から見た図
 人形を仰向けに寝かせます。手の先から出ているヒーターを、腕の前面を通して、肩関節を通し、さらに、ボディー前面上部を経由して、ボディー合わせ面前面上部へと通します。


 人形をうつ伏せに寝かせます。背面の、肩関節球とボディーの継ぎ目付近から出ているヒーターの目印のテープを外し、そのヒーターを、ボディー背面に通し、ボディー合わせ面背面下部へ通します。

ヒーターの接続

 ボディーに縫い込んだ4本のヒーターを一本に繋ぎます。

接続の準備

 ヒーターの長さが足りないと、手足が引っ張られたときに、ヒーターに張力が加わって、断線しやすくなります。これを防ぐため、ヒーターの長さには余裕を持たせます。
 このために、ボディーを持って、手や足を軽く引っ張り、ボディーの中にヒーターを入り込ませておきます。その上で、ボディーから5センチの位置で各ヒーターを切断します。

接続


ヒーターの接続(正面から見た図)
 4本に分かれてボディーの中に通っているヒーターを図のボディーの間にある、3個の黒丸の位置で、一本に繋いで(繋ぎ方はこちら)電気が流れるようにします。
 繋ぎ方を間違えると、電流が流れなかったり、ショートしたりしますので、次の表をチェックしながら、確実に4箇所を接続してください。
  1. 左足からボディー前面を通って、左ボディー合わせ面前面上部に出たヒーター→左腕からボディー前面を通って、左ボディー合わせ面前面上部に出たヒーター
  2. 左足から左ボディー合わせ面下部に出たヒーター→右足から右ボディー合わせ面下部に出たーヒーター
  3. 右足からボディー前面を通って、右ボディー合わせ面前面上部に出たヒーター→左腕からボディー前面を通って、ボディー合わせ面前面上部に出たヒーター
  4. 右腕から、ボディー背面を通って、右ボディー背面中部に出たヒーター→左腕から、ボディー背面を通って、左ボディー背面中部に出たヒーター



 丸印の部分でヒーターを繋ぎます。


 繋いだ部分のアップです。


 ヒーターを接続したら、ラダーステッチでボディーの前面を元通り縫い閉じます。

電池の本数を決める

ヒーターの抵抗を測る

 同じように作業しても、使用したヒーターのメーカーによって、発熱の程度が異なります。どの程度発熱するヒーターであるのかを、抵抗を測定して調べます。


 テスターの切り替えスイッチを「Ω(オーム)レンジ」に合わせます。Ωレンジが複数あるテスター(写真のテスターには、×1Ω、×10Ω、kΩ(×1000Ω)、の3つのΩレンジがあります)では、一番小さいΩレンジを選びます。


 Ωレンジでは、テスターから出ている2本の線の先端(プローブ)同士を触れさせると、メーターが振れます。




 2本プローブをしっかりと触れた状態に保ちつつ、ゼロオーム調節つまみを回して、指針が0Ωを示すように、調節します。


 人形の左足に電源ケーブルを繋ぎ、2本の電線にプローブをしっかりと押し当てます。


 このときに、指針の値を読み取ります。写真では、10Ω(上から2段目の目盛)を指しています。

電池の本数を求める

 ヒーターの抵抗から、次の表で電池の本数を求めます。

ヒーターの抵抗と使用する電池の本数
ヒーターの抵抗
(Ω)
電源の電圧
(V)
電池の本数
(本)
5.0 6.3 4
5.5 6.6 4
6.0 6.9 5
6.5 7.2 5
7.0 7.5 5
7.5 7.7 5
8.0 8.0 5
8.5 8.2 6
9.0 8.5 6
9.5 8.7 6
10.0 8.9 6
10.5 9.2 6
11.0 9.4 6
11.5 9.6 6
12.0 9.8 7
12.510.0 7
13.010.2 7
13.510.4 7
14.010.6 7
14.510.8 7
15.011.0 7
15.511.1 7
16.011.3 8
16.511.5 8
17.011.7 8
17.511.8 8
18.012.0 8
18.512.2 8
19.012.3 8
19.512.5 8
20.012.6 8

電源電圧は次式で求めます
電源電圧(V) = SQRT(8(W)×ヒータの抵抗(Ω))


電源の接続

 電源ケースを作り、電源ケーブルに電池ボックスを接続します。電池は、全てが一列に繋がるように接続します。電池の本数は、使用したヒーターの種類によって違うので、電池ボックスの数や種類もそれぞれ異なります。接続の例を次の図で説明します。


電池4本の場合
 電池が4本の場合に、4本用の電池ボックスを使用した例です。


電池5本の場合
 電池が5本の場合に、4本用と1本用の電池ボックスを使用した例です。複数の電池ボックスを使用する場合は、電池ボックスの+(多くの場合赤い電線)と−(多くの場合黒い電線)を繋ぎます。


電池6本の場合
 電池が6本の場合に、4本用と2本用の電池ボックスを使用した例です。


電池6本の場合
 電池が6本の場合に、4本用と1本用の電池ボックスを使用した例です。


電池6本の場合
 電池が6本の場合に、2本用の電池ボックスを使用した例です。


電池7本の場合
 電池が7本の場合に、4本用、2本用、1本用の電池ボックスを使用した例です。


電池8本の場合
 電池が8本の場合に、4本用の電池ボックスを使用した例です。



 千枚通しでタッパーウェアに電源ケーブルより少し大きな穴を開けます。


 千枚通しを抜き取ったら、その穴に、すぐに電源ケーブルを挿し込みます。1分程待つと、千枚通しで開けた穴は小さく縮んで、電源ケーブルが、タッパーウェアにしっかりと固定されます。ケーブルを少し引っ張っても、抜けないことを確認してください。


 電池ボックスがタッパーウェアの中にうまく収まるように並べます。


 ケースから電池ボックスを取り出し、タッパーウェアの中に並べたのと同じように並べます。それぞれの電池ボックスから出ている電線を、丁度良い長さに切って、被服を剥がし(剥がし方はこちら)ます。  電池ボックスが数珠繋ぎになるように、赤い線と黒い線をねじり合わせます。




 電線をねじり合わせた部分を、圧着端子に挿し込んで、圧着工具で圧着します。(繋ぎ方はこちら)


 電池ボックスの裏面に両面テープを張りつけます。新品の電池ボックスやタッパーウェアには、油が付いている場合があります。油が付いていると両面テープが接着しないので、テープを張る前に、中性洗剤やベンジンで拭き取ります。


 両面テープの裏紙を剥がし、電池ボックスをタッパーウェアに張りつけます。数珠繋ぎにした電池ボックスの両端の2本の電線の被覆を剥がし(剥がし方はこちら)電源ケーブルの2つのグループの線とそれぞれ、ねじり合わせます。電源ケーブルのいずれのグループを、電池ボックスの赤い線と繋いでもかまいません。




 電線をねじり合わせた部分を、圧着端子に挿し込んで、圧着工具で圧着します。(繋ぎ方はこちら)  


 タッパーウェアに蓋をして、電源ボックスの出来あがりです。

動作試験

 作業にミスがあると、電池やヒーターが過熱するなどの不具合が発生する場合があるので、順を追って正常な動作を確認します。


 方向に注意して電池をセットします。この状態で1分待った後で、電池に触れてみて、電池の温度が、最初と変わらない(ぜんぜん熱くなっていない)事を確認します。

電源ケーブルをシンディーに接続
 電池をセットした状態で、電源ケーブルの先端のジャックを、シンディーの左足先のプラグに接続します。この状態で1分待った後で、電池に触れてみて、電池が熱くなっていない事を確認します。但し、この状態でシンディーは動作していますので、電池が少し温かくなる場合もあります。

シンディーを寝かせる
 電源ケーブルを接続した状態で、シンディーをベッドに寝かせ、掛け布団をきせます。そのまま5分待った後で、電池や、シンディーの各部に振れて、過熱していない事を確認します。(シンディーは未だ温かくなりません)

 シンディーに掛け布団を被せたまま、1時間待ちます。この間、5分毎に布団に手を入れて、シンディーの各部に触れて、過熱していない事を確認します。1時間後に、シンディーの各部が人肌に温まっていれば、動作は正常です。



 電池を抜き取り、動作試験は終了です。
できあがり!

おめでとうございます。あなたの温かいシンディー人形が完成しました。


細部の作業方法

外側の被覆の剥がし方


ケーブルを曲げる
 指でつまんで、ケーブルを鋭角に折り曲げます。


切り目を入れる
 折り曲げた外側に、かるくカッターの刃を押し当てて、外側の被服に切れ目を入れます。このとき、中の電線を傷つけないように気をつけます。


切れ目を広げる
 少しずつ切れ目を広げてゆきます。


反対向きに折り曲げる
 ケーブルを先ほどとは逆の向きに折り曲げます。

切り目を入れる
 折り曲げた外側に、かるくカッターの刃を押し当てて、外側の被服に切れ目を入れ、外側の被覆を全部切ります。


被覆を抜き取る
 引っ張って被覆を抜き取ります。

出来あがり
 内部の電線に傷がついていない事を確認します。

被覆の剥がし方


窪みの選び方
 ワイアストリッパーの刃先には、色々な大きさの窪みがあります。その中から、電線を傷つけずに、被覆だけを綺麗にはがすことの出来る窪みを探します。写真の例では、0.5ミリの窪みを使っています。

刃先の窪みで線を挟む
 ワイアストリッパーの刃先の窪みで、電線を挟みます。

ゆっくり引いて被覆を抜き取る
 挟んだ電線を、ゆっくり引くと、被覆が剥がれます。


剥がれたところ
 被覆をはがすと、内部から銅線が現れます。銅線に傷が付いていないことを確認します。

電線の繋ぎ方(圧着)

 2本の電線を電気が通るように繋ぐ方法を説明します。

被覆を剥く
 電線の先端の1センチの位置で被覆を剥ぎ(剥ぎ方はこちら)、内部の銅線を露出させます。


端子に差し込む
 被覆を剥いだ電線を圧着端子に差し込みます。被覆を剥がした部分がはみ出さないように注意します。

穴に差し込む

挟む位置

強く挟む
 圧着端子の金属パイプの中央付近を圧着工具で強く挟んで押しつぶします。


圧着完了
 圧着できました。

ヒーターの通し方

 ヒーターは組み立てたシンディーに通しますが、ここでは、基本の手順を説明するために、取り外した脛パーツで説明します。


ヒーターの出口に穴を空ける
 千枚通しを使って、ヒーターの出口に穴を空けます。穴は、ゴム通しの先端が通る程度の大きさに空けます。この穴は、使用しているうちに、塞がります。


ゴム通しを指し込む
 穴からゴム通しを差しこみます。ヒーターの入り口に向かって、ゴム通しの先端が、常に表面の布に触れるようにしつつ、奥へと差し込みます。こうする事によって、ヒーターは布のすぐ下を通ります。


入り口に穴を空ける
 ゴム通しが入り口付近まで来たら、ヒーターの入り口に、千枚通しで出口同様の穴を空けます。


先端を出す
 空けた穴から、ゴム通しの先端を出します。


ヒーターを引っ掛ける
 ゴム通しの先端の環に、ヒーターを折り曲げて引っ掛けます。

ヒーターを通す
 ゆっくりとゴム通しを引きぬき、ヒーターを通します。

次の出口に穴を空ける
 さらに、次の出口に千枚通しで穴を空けます。

ゴム通しを差し込む
 その穴から、ゴム通しを差しこみます。ここでも、常にゴム通しの先端が布に接するようにします。

先端を出す
 ヒーターの入り口(前回の出口)からゴム通しの先端を出します。

ヒーターを引っ掛ける
 ゴム通しの先端にヒーターを折り曲げて引っ掛けます。

ヒーターを通す
 ゆっくりとゴム通しを引きぬき、ヒーターを通します。

環を引き込む
 ヒーターをゆっくりと引っ張り、入り口に出来たヒーターの環を中に引き込みます。

出来あがり
 丁度環が引き込まれたときに、ヒーターを引くのを止めます。引きすぎると、ヒーターの位置が崩れてしまいます。  このように、2回程度ゴム通しを使用したら、次に説明する方法で、ヒーターを縫い止めて、ずれないようにします。

ヒーターの縫い止め方



 通したヒーターは軽く縫い止めます。図の緑色がヒーター、赤色が縫い糸です。縫い止め方は、次のとおりです。
  1. ヒーターの出入り口付近(図の右端)で小さく2目縫います
  2. ヒーターに沿って、ヒーターを裏で跨ぐように針を通し、2〜3センチ先に出します
  3. その針の出口から、約1ミリ程左に再び針を入れます
  4. ヒーターに沿って、ヒーターを裏で跨ぐように針を通し、2〜3センチ先に出します
  5. これを繰り返して、ヒーターの出入り口まで行きます
  6. ヒーターの出入り口付近(図の左端)で小さく2目縫い、玉止めします。
ヒーターの位置はそれ程正確でなくても良いので、表に縫目が目立たなければ、大まかに作業してかまいません。


 では、実際の作業を説明します。最初に、作業し易いように、待ち針でヒーターをすくって、布のすぐ裏に固定します。慣れれば、待ち針を打たずに作業できる場合もあります。


 ヒータの出入り口付近で小さく2目縫います。次に、ヒーターの下側から針を入れ、針先をヒーターの下をくぐらせて、ヒーターの上側に出します。


 続いて、次に、針の出た位置から、僅かに左から再び針先を入れ、ヒーターの上側からヒーターの下をくぐらせて、ヒーターの下側に針を出します。
 これを繰り返すことで、ヒーターを布に縫い止めてゆきます。


 ヒーターの出口まで来たら、小さく2目縫い、玉止めします。


 ヒーターを縫いとめたところです。赤い糸を使っているので、縫目が目立ちますが、実際には殆ど目立ちません。

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