Cities Skylines プレイレポート

MODやDLCを一切使わない基本パッケージのプレーで、

公共交通機関を使用せず、道路だけで渋滞しないメガロポリスを建設する

by dokunewon

完成したウェストフィールド市、人口128、505人 収支+₡289 資産₡11,237,053

・2022年4月1日

 大統領からトゥーリバーズ地区の開発を委任された。大統領はこの地をウエストフィールド市と名付け、当面は5万人の都市に、そして将来的には、隣接する地域も取得して8万人のメガロポリスを目指しておられる。

 大統領によれば、何かと不幸な事が多かったこの地に、人々が安全安心に豊かに暮らせる、教育レベルの高い、国内トップクラスの都市を作りたいとの事だ。

訳注:トゥーリバーズ地区一帯は、以前は麻薬組織が支配する無法地域で、コカの栽培や殺人が横行していた。現在のダイアナ・バーンウッド大統領が就任すると、どういうわけか麻薬組織の要「3頭の蛇」と呼ばれていた大幹部が相次いで謎の死を遂げ、組織は解体した。その後も大統領暗殺が幾度か試みられたが、全くの失敗に終わっている。噂によれば、大統領は大きな秘密の組織2つに関与しており、陰謀を察知し、敵を排除する強力な力を持っているとも言われている。

 当初資金は₡70,000(7万コロン)で、これは日本円でおよそ70億円に相当する。今後も金額については、日本円相当額で表記することにする。勿論、この額は決して多いとは言えない。

 私がレイクバレーに降り立ったのは夕刻であった。美しい夕日に心を打たれた。地区の近くを、南北・東西に走る2本の高速道路と、北の湖、南の河川を見る事ができた。

 地区の北西部に利用可能なインターチェンジがある。下図のように、このインターチェンジを上側に描くと道路網を検討し易いので、今後は下図同様に、西を上に描いた図を用いる。左が南、右が北、という不正規な図になるがお許し頂きたい。

 私はこの地区の開発において、公共交通機関を使用しない事を決心した。なぜなら、人々は好んで公共交通機関を利用している訳ではなく、もし、自動車が安価で、道路が快適なら、自由にクルマで移動したいと考えるのが当然だからである。満員の電車やバスで不快な思いをした市民も多い事だろう。

訳注:著者は鉄道事故で娘を、飛行機事故で妻を亡くしている。上記の彼の決心に、この個人的事情が影響している可能性がある。

 このために、道路網の体系的・徹底的な整備と、教育レベルを高めて市民全員に自動車を購入できるだけの所得を得て貰う事が必要となる。これは過去の都市では行われなかった困難な挑戦である。

 道路網の形式は典型的なタイプとし、インターチェンジからラウンドアバウトを経て、格子状の住宅ビジネス地域に接続する予定である。但し、ラウンドアバウトは都市面積を大きく消費するので、工業・商業用地を兼ねる事とする。

・2022年5月6日 最初の道路

 さて先ずは、西北にあるインターチェンジに、ラウンドアバウトを接続したい所であるが、手持ちの70億で電力、上下水道、道路を設けるとなれば、一本道を作るのが精一杯である。将来、ラウンドアバウトの一部とすることを考えて、下図のような道路を設置し、道路の南(左)半分を住宅区画(緑色)に指定した。将来、この道路の北(右)側に商業区画と工業区画を設ける予定である。

 この道路が地域の南北の基準となるので、地区の境界線と平行になるよう、慎重に測量を行って道路を敷設した。また、道路の一部を6車線としているのは、将来この道路を6車線に拡張予定があるため、地盤や工法が6車線道路に耐え得るかどうか検証するためである。同時に、6車線道路の西(上)側に発電所建設の余地があることも確認しておいた。

 最初の水道は下図の通り敷設した。南側河川の上流側に取水場を、下流側に排水口を設けている。予算の都合で取水場と排水口をあまり離すことが出来なかったが、下水の上水への混入を避けるため、将来的には、この排水口は撤去して、地区の最東端に移動させたい。

 ここまでの工事で、70億あった資金は48億円に減少してしまった。今後も多額の出費が予想される中で、資金に余裕が無く厳しい。

・2022年5月17日 送電線敷設

 幸いにも、住宅地域に多くの住宅が建ち始めた。しかし、停電が続いていると苦情が殺到した。調査すると、発電風車と住宅地域の距離を、騒音防止のために離した事が禍し、電力が届いていないと分かった。このため、臨時の送電線を設けて、急ぎ電力を供給した。

・2022年5月22日 商工業地域設定

 人々の暮らしが本格化すると、買い物をするための商業地域と、働く場としての工業地域を求める声が高まってきた。想定通りであるので、住宅地域の北(右)側に商業地域と工業地域を設けた。工業地域は汚染を生じるので、住宅地域とはできるだけ離した。

・2022年6月7日 下水トラブル

 商店や工場が建ち始めると、下水が処理されず逆流するというトラブルが町中から報告された。急遽排水口を1基増設すると同時に、下水とほぼ同量必要となる取水口も増設した。

 ところが、下水のトラブルが一向に収まらない。調べてみると排水口に電力が供給されていないため、排水ポンプが動作していなかったと判明した。このため、急遽排水口までの送電線を敷設した。

 無駄な取・排水口を設営してしまった事もあり、資金は39億円にまで減少してしまった。そのうえ、160万円/週の赤字である。資金面の不安が大きい。

・2022年6月16日 初めての黒字転換

 住宅や商店等が増加し、次第に税収が増え、初めて財政が黒字転換した。僅か650万円/週の黒字ではあるが「やれるかも知れない」という希望を持つことができた。とはいえ、現在の人口は僅かに243人である。

 一本道だった道路を拡張して、扁平な角型ラウンドアバウトを構成し、住宅・商業・工業地域を設定した。ラウンドアバウトは、将来6車線道路を使用する事を念頭に、道路の間隔を12セル取って敷設した。さらに、ラウンドアバウトは、将来一方通行として、両端部に丸みを持たせて、車速を落とさない設計にする予定である。

とはいえ、この大工事で再び資金は31億円に減少してしまった。

・2022年6月28日 電力不足

 工業地区の一部から、電圧の低下が報告された。発電風車1基では電力が不足し始めたのである。急ぎ発電所の見積を取ったが、安価な石炭発電所であっても1基19億円という価格に冷や汗が出た。

 石炭発電所の見積額は、手持ち資金の半分以上と高額ではあるが、将来の発展を考えると、発電風車の増設で凌ぐのではなく、本格的な発電所が必要と考え、インターチェンジの近くに石炭発電所を建設した。

 さらに、新設した地域から、水道が供給されていないという苦情があり、水道管を増設したため資金を消費した。

 電力・水道トラブルは解決したが、手持ち資金は僅か9億円に減少してしまった。僅かな黒字はあるものの、このままでは倒産するかも知れないという不安がよぎり、胃の痛い日々が続いている。

・2022年7月6日 小さな集落

 国より、人口が420人に達したため「小さな集落」に認定する旨の通達があった。これにより、ゴミ集積場、小学校、診療所の設置が許可されるとの事である。嬉しい事ではあるが、予算不足もあり、にわかにこれら施設を建設することは出来そうにない。

・2022年8月22日  ゴミ集積場

 ゴミ収集がなされていないため「住宅にゴミが溢れて生活ができない」との苦情が寄せられ始めた。ゴミ収集の必要性は分かっていたが、ゴミ集積所の設置には4億円を要するので躊躇していたのである。

 とはいえ「もう生活できないので村を出たい」と言われると、背に腹は代えられない。工業地域の一部にゴミ集積所を設置した。集積所は汚染を発生する上、一度設置すると動かすことが難しいので、面する道路は予定通り6車線に更新し、また、将来的に道路を変更する予定のインターチェンジ周辺から、出来るだけ離れた位置に設営した。その結果、ごみ集積場が商業地域に隣接してしまったが、住宅地域程には影響を受けないのがせめてもの救いである。

・2022年9月22日 立派な村

 国より、人口が850人に達したため「立派な村」に認定する旨の通達があった。これにより、消防署、警察署の設置が許可されるとの事である。

 資金は56億円まで回復し、収支も1億2千万円/週と多少状況が改善してきた。当初資金の60億円までの回復を待って、本格的な住宅地域の建設を始めたい。

・2022年10月22日 住宅地域増設

 資金が60億円まで回復したため、住宅地域の建設を始めた。

 これまでは、ラウンドアバウトの一部を住宅地として使用してきた。とはいえ、将来的には、ラウンドアバウトは商業、工業区画として使用し、トラフィックの少ない住宅区画は、ラウンドアバウトから分岐した魚骨状あるいは、格子状道路に設定する予定である。

 今回の住宅区画では、道路は格子状とせず、魚骨状とし、左右方向には接続してしていない。なぜなら、ラウンドアバウトを回るべき車が、住宅地に入り込み、住宅地に無用のトラフィックを生じることを避けたかったためである。この処置は、ラウンドアバウトに近い区域では当面維持するが、ラウンドアバウトから離れるに従って、左右方向のローカルトラフィックを処理するために、道路は格子状に変更する予定である。さらに、ラウンドアバウトの交通量を監視して、魚骨状の部分を全て接続する可能性もある。

 水道管も増設する必要があったため、再び資金は35億円に減少してしまった。この住宅地増設によって、人口が増加し、財政が改善する可能性を信じたい。

・11月11日 犯罪の発生

 住宅地区と工業地区で2件の犯罪が同時発生した。本市初めての犯罪である。急ぎ警察所を設置し、パトロールカーを出動させて解決に当たらせた。警察署の建設に12億円を要した上、警察官の給与等の維持費に4千8百万円/週を要するが、住民の安全には代えられない。

・11月20日 ちっちゃな街

 国より、人口が1300人に達したため「ちっちゃな街」に認定する旨の通達があった。これにより、公園と広場の設置が許可されるとの事である。

 小さいとはいえ「街」になったと思えば感慨無量であるが、大統領が最終的に目指しておられる8万人都市を考えると、気が遠くなる時がある。今の街を100倍近く成長させなくてはならないのだから、本当にできるのだろうかと不安がよぎる。

・12月21日 工業用地への変更

 工業用地を増やしてほしいとの要望が限界に達している。ラウンドアバウト上部(西部)は本来工業用地とする筈であったが、街の建設開始時に予算の都合で住宅用地としたものであった。そこで、この地域の住民には、22日に増設した住宅地に引っ越してもらい、ラウンドアバウト南西部を工業地域に変更した。

 また、商工業の発展による交通量の増加に備えて、ラウンドアバウトを6車線化し、端部を曲線化した。綺麗に曲線化するのが難しく、測量用の小径を敷設した後、小径を基準に作業を進めさせた(下図)。作業者の経験が未熟で、工事のやり直しを行わざるを得なかった。再工事の場合、費用の一部が返却されるのみで、予算を無駄使いしてしまった。

 また、インターチェンジとラウンドアバウトは、曲線道路で滑らかに接続した。この部分は高速道路を用いて接続したいところであったが、ハイウェイの建設許可が未だ降りていないため、2車線一方通行道路で接続せざるを得なかった。心残りである。今回も大工事となり、手持ち資金は再び38億円に減少した。とはいえ、収支は1億5千万円/週と安定しており、以前ほどの不安は無くなった。

・2023年1月13日 信号機の撤去

 道路状況を視察していると、ラウンドアバウトでの自動車の挙動がおかしい。ラウンドアバウトの分岐部で車両が信号待ちをしているのである。ラウンドアバウトに信号を設けるとは何事か。どうもこの国には「信号機利権」のようなものがあり、交差点が一定の要件を満たすと業者が勝手に信号機を設置するようである。国家規模の悪癖と思われるので、私の力では直ちに無くすことは難しい。

訳注:大統領は麻薬組織撲滅時に、食い詰めてギャング化しつつあった元組織員に信号関係の業務を与えた。かれらは地の利に詳しく、信号敷設作業には適任であった。とはいえ、食い扶持を確保するために、交差点とあれば信号を敷設する傾向があり、一部信号は敷設されたものの、使われずに放置されている場合がある。大統領は、彼らは暴力的ではないし、災害時に放置された信号を利用して安全誘導できた事例も多い、とこれを是認している。

 やむを得ず、交通経路の交差点を用いて交通課に指示し、ラウンドアバウトと住宅地域の袋小路への交差点での信号機の停止を命じた。信号機の停止は、単なる命令なので、費用を要しないところが有難い。

 この結果、市内には動作している信号機が無くなったが、車両の流れは大変円滑になった。とはいえ、あまりに交通量が増えると、逆に信号機が必要になる場合もある。今後も注意深く見守る事にする。

・4月19日 公害の発生

 住宅地域で病人が多発しているとの報告があった。工業地域に住宅地が隣接せぬように配慮したつもりであったが、指示のミスがあったようだ。急ぎ当該地域を商業用地に変更した。

 また、住宅地の増設を検討している中で、ラウンドアバウトと1本目の住宅地の道路の間隔が、計画した8セル分確保されておらず、7セルしか無いため、フルサイズ(4セルの)のビルディングが立てられないとの報告があった。このような施工上のミスはこの国で良くある事である。

 この問題を解決するには、建設済の住宅地の、左右方向の道路をすべて1セル分、東(下)方向にズラす必要があり、直ちに対応する資金的余裕はない。そこで、下図のように、今回増設する住宅地の道路は間隔を9セル設けて、将来的には1本目と2本目だけをズラせば解決できるようにした。

 これらの対策を行いつつ住宅地を道路2本分拡張した。これで一層の人口増が期待できる。手持ち資金は再び35億円に減少したが、収支は2億5千万円/週と少しずつではあるが増えている。

・5月7日 火災の発生

 かねてより懸念していた事であるが、工業地帯で火災が発生した。火災は放置すると延焼して拡大するので対策が急務である。急遽消防署を設置し消防車を向かわせた。工場とタンク3本に延焼してはいたが、消防車が到着し、無事消火することができた。

 犯罪や消防等、すべて事後対応なのは我ながら情けないが、限られた予算の中で当市を拡大するためには、やむを得ないと考えている。

・6月19日 電力不足

 南東部住宅地で電圧低下の報告があった。発電所の能力不足が原因である。前回設置した実績のある石炭火力発電所を増設した。

 19億円の出費は痛手であるが、消費電力の増加は市の発展を意味するので、前向きに捉えたい。多額の出費で資金は再び25億円に減少した。但し、人口が2150人に、収支は3億1千万円/週に増加しているため、以前ほどの不安は無い。なんとかなるように感じる。

・はじまりの風車

 殆どの電力を火力で補っているため、初期に設置した発電風車は撤去可能ではあるが、市民からは「はじまりの風車」として市のシンボル的な存在とみなされているし、幸い近隣に住居もなく騒音の害も無いので、あえて撤去しない事とした。

 市民のこのような意識に応えて、風車の間近までアクセスできる小径を設けた。実際に行ってみると、プロペラが回転する度に、独特の低い空気振動が伝わり結構迫力のあるものである。経済的利益は無いが、多少でも郷土愛のような物を持って貰えるなら投資する価値はあると思う。

・7月4日 成長した街

 国より、人口が2400人に達したため「成長した街」に認定する旨の通達があった。これにより、交通機関やバスの設置が許可されるとの事である。とはいえ私が、自動車だけで自由に便利に生活できる街を目指していることは最初に述べた通りである。であるから、これら交通機関を設置する予定は無い。

 また、住宅地西北部で当市初めての重病人発生の報告を受けた。残念ながら当市には医療機関が無い。急遽診療所を設けて、病人に対応した。

 診療所の建設に10億円を要したが、税収が3億円/月程度で安定しているので、資金は57億円確保できている。ただし、将来的には診療所はさらに多数必要である。

・7月16日 騒音公害と区画整理

 商業地に隣接する住宅から騒音の被害が多数報告されている。

 本来商業地と住宅地の間には、公園や、騒音が問題にならないビジネス区画等を設けるべきであるが、現在、住宅、商業、工業の3地目しか許可を得られていない。このため、騒音が問題になっている、住宅区画を取り消し、更地とすることで騒音に対応する事とした。住民の立ち退きが必要になるが、東部に新しい住宅地が多数あるので、容易に引っ越しが可能で人口の減少は一時的であると思われる。

 この立ち退きに伴い、住宅地区の一本目の南北(左右)方向の道路を1セル東(下)にズラして、商業地にフルサイズのビルが建設できるよう、区画整理を行った。この立ち退きによって、人口が1850人に減少したが、住宅地には余裕があるため、再び増加に転ずることを願っている。

 尚、ラウンドアバウト端部の工事時に、測量のために設けた小径が放置され、交通の障害になっていたので取り除いた。(上図右側)僅かでも距離の節約になるからと、測量用の小径を通りたがる車が結構居るのである。

・2023年9月27日 住宅地の拡張と小学校の設置

 資金が80億円に増えたのを期に、住宅地を道路2本分東へ拡張し、小学校を一気に3校設置した(下図)。「早く高等教育を行わねば」と焦りは感じるものの、まずは小学校を卒業しなければ高等学校に通うことすらままならない。残念ながら、現状、我が市では、100%の者が全く教育を受けていない(下図)。この教育の現状を見ても、まだまだ理想には遠い事を痛感する。

 さらに、失業率が30%と高く悩ましい。市民の働く場である工場用地が不足している為である。とはいえ、市民に教育が行き届けば、工場で働く市民は減少するし、一旦工場として利用した地域は汚染されるので、むやみに工場用地を広げたくない。難しい課題である。

 また最近犯罪の発生が増えている。パトカーが急行して解決してはいるものの、警察署が1つしか無く、パトカーの到着まで時間を要するので、市内どこかで犯罪が発生している状態である。資金に余裕ができれば、警察署を増設したい。

・2024年4月13日 東部工業地域の開発

 久しぶりに大統領と面会する機会を得た。私は第一に工業地域の不足による失業率の高止まり(30%)を報告した。このために人口が増えず、市の発展も停滞しているのである。大統領は「それよりも」と切り返し、私に将来のビジョンを問われた。私は、将来は東部(下部)にも扁平なラウンドアバウトを設け、商工業の拠点を作り、できれば、ラウンドアバウトを市の北(右)側を走る高速道路に接続したい。と説明した。またしかし、現在資金が100億円しかなく、この事業に着手すると、この資金を殆ど使い切ってしまうとも説明した。大統領は「あなたは資本家なのか市長なのか」「資金を使い切ることを恐れてはならない」と述べられた。

 私はこの会見の後、東部工業地帯の開発を決意し、東西(上下)を接続する幹線道路、東(下)側ラウンドアバウトの一部、石炭発電所の建設と、以前からの懸案であった下水排水口の東部移設を決行した。上下水道の整備も含めると、100億円あった資金は26円にまで減少したが、工業用地が2倍になり、失業率の低減と、市の発展への道筋が見えて来たように感じる。

 排水口を移設しても、過去に汚染された水は依然市の南側に残っているが、時と共に流れ去り、いつしか南側河岸は市民の憩いの場となるだろう。

・2022年6月12日

 国より、人口が4600人に達したため「活気のある街」に認定する旨の通達があった。やはり小手先の弥縫策ばかりではなく、時には資金を使い切るような大胆な建設が有効なようだ。

 東部工業地帯建設の成果もあり、失業率は10%を切ってさらに低下する勢いである。(上図右)

 とはいえ、最近市内各所、でご遺体の回収遅れが問題になっている。原因は当市に墓地が無い事である。勿論、ご遺体の放置された住宅は居住不可能となって放棄されるから、一刻も早い回収が必要である。

 幸い墓地は公園程ではないが市民に好まれる施設であるから、建設費は8億円と意外と高額であるものの、建設することにした。

 墓地建設には留意すべきポイントが2点ある、1つ目は、墓地は3000体のご遺体が埋葬の上限でそれ以上は収容できない事、2つ目は、1体でもご遺体を埋葬した墓地は取り壊しや移設が出来ない事である。一旦埋葬したご遺体を墓地から回収するには、火葬する必要があるが、当市は未だ火葬場設置許可を得られていない。このため、墓地の設置場所は慎重に選ぶ必要がある。

 検討の結果、市内各所から迅速にご遺体を回収できるように、市の中央部に墓地を建設した。また、墓地に接する南北(左右)方向の道路を袋小路にせずに接続した。この道路より以東の南北(左右)方向の道路は、ラウンドアバウトから十分距離があるため、すべて南北に接続する予定である。

・ゴミ収集能力の不足 2024年7月3日

 市内各所でゴミ収集の遅れが問題になっている。ゴミ集積場は70%使用中で未だ集積の余地はあるものの、所属する15台の収集車がすべて出払っており、市内全域に対応できなくなったのである。幸い、道路の渋滞は発生しておらず、渋滞による致命的な回収遅れ(集積場を増設しても解決できない)ではなかった。

 今回は、ゴミ集積場を増設し、収集車を増やす必要がある。とはいえ、集積場はあくまで一時保管にすぎず、最終的には焼却しなければならない。しかし当市はまだゴミ焼却許可を得ていない。国に問い合わせると、人口7千人に達した都市には焼却許可を出しているとの事である。現在の人口が4千8百人であるから、今しばらく集積場で間に合わせるしかない。

 検討した結果、西部工業地域の南(左)寄りに新たな集積場を設置した。その結果、双方の集積場から15台全ての収集車全てが出払っている状態で、能力ギリギリではあるが、回収の異常な遅れは解消された。

 現在の資金は88億円、収支は3億7千万円/週と大きな開発の後としては良好と言える。

・電力不足 2024年8月25日

 市の中央部で電圧低下が発生した。発電量の不足が原因であった。実績があり安価な石炭発電所を増設するのも良いが、新たに許可された石油火力発電所を、東(下)部工業地域に設置した。石炭火力が19億円で40MWであるのに対し、石油火力は50億円と高価ではあるが、120MWと費用当たりの発電能力が高いからである。

 資金は65億円と減少したが、電力を不足させる訳には行かない。

・2024年9月24日 工業地域の不足

 東部工業地域の開発で一時は5%に低下した失業率が、再び10%に上昇してきた。さらなる工業地域の拡大が要望されている。将来的には、東部工業地域のラウンドアバウトの西(上)側は商業地域として利用する予定であるが、一時的にラウンドアバウトの周囲すべてを工業地域として利用する事とした。

 このために、東部工業地域のラウンドアバウトを完成させ、工業地域に指定した。ラウンドアバウトの端部は、測量用に小径を設営してから、その小径を基準として滑らかな曲線道路とした。このとき、道路工事にミスがあり、送電線を切断して、全市的な停電が生じてしまった。工事は慎重に行わなくてはならない。

 測量用の小径は完成後撤去し、また、道路建設時に勝手に設置された無用な信号機をすべて無効化した。無用な信号は不要なので、工事代金を値引いて貰いたいが、こればかりは国家の利権構造のシガラミがあるため、どうにもならないようだ。また、同工業地域で焼け跡が見受けられたので、消防署を設置した。

 資金は47億円、収支は2億9千万円と双方ともに減少しており、多少の危機感があるが、工業地域の増大で雇用が生まれるため、失業率が減少し、人口が増加する事を願っている。人口は5千700人である。

・11月5日 住宅地の増設

 工業地帯拡大の効果で、念願の住宅需要が発生した。人口増加の兆しであり実に喜ばしい。新しい住宅地は東部工業地域へのアクセスを考えて、東部に建設する事とした。とはいえ、東西(上下)を繋ぐ6車線道路3を一気に建設する資金力は無いため、測量用の小径を設けて、必要な部分のみ6車線道路を建設した。それでも、資金は27億円に減少し、収支は2億4千万円、人口は5千3百人である。相変わらず財政には余裕が無い。東部に建設した住宅地に多くの市民が住み、税収が増えることを願うばかりである。

・2025年2月23日 高校の設置 人口6千5百人、資金71億円、収支3億5千万円

 本日より、日付欄に、人口、資金、収支、を記載することにした。一目で概要が分かるのが便利だと思う。

 大統領は教育レベルの高い市を念願しておられる。しかし、当市には未だ小学校しか無いのが現実である。大きな乖離がある。そこで、資金が70億円を回復したのを期に、初の高等学校の建設を行った。具体的には市の西(上)部に、2高を設立した。

 高等学校は建設費24億円、維持費4千万円/週と高額であるが、教育は将来の税収向上に直結するので、思い切って決断した。とはいえ、同時に2校を開校したため、通学可能者900名に対して、定員2000名と過剰設備となってしまい、反省している。一日も早くこれら高校が定員に達するよう、人口を増やし、初等教育を拡充しなくてはならない。

・3月30日 大きな街とゴミ問題 人口7千人 資金83億円 収支3億5千万円

 国より、人口が7千人に達したため「大きな街」に認定する旨の通達があった。未開の原野とも言える状態から、ここまでに成長した過程を思い起こすと、感慨無量ではあるが、目指す巨大都市に比べると、未だその10分の1以下の規模である。残念ながらまだまだこれからと言わざるを得ない。

 

 また、都市東部を中心に深刻なゴミ未回収苦情が発生している。調べると、ゴミ集積場の1つが満杯となり、実質一か所しか稼働していない。こんな時に、即座に報告が無いのは困ったものだ。

 この対策として、ごみ集積場を増設してもよいが、集積場はあくまで一時的対応で、ごみを保存しているだけである。この方法では、そのうち集積場建設用地が枯渇して行き詰まる。そこで、30億円と高額ではあるが、市の東端に、最近許可されたゴミ焼却炉を建設する事とした。焼却炉はゴミ収集車も27台と、集積場の2倍近く保有しており、全車稼働すれば、集積場の2倍に迫る回収力を発揮する筈である。尚、市の端部に設置したのは、ゴミ焼却炉が強い汚染を発生させると説明を受けたためである。

・6月4日 測量用道路の不正利用 人口7千7百人、資金80億円、収支3億5千万/週

 西(上)側の都市と、東(下)側の工業地帯を結ぶ道路を建設した際に、測量目的で敷設した小径が、驚いた事に、実際の通行に利用されていることが分かった。地道を大量の車が行きかうので、大変な土埃を発するし、道幅も狭く危険である。やむを得ず、12億円を費やして、計画通りの6車線道路を2本に置き換えた。いつかは必要な工事であったが、やはり6車線道路は費用が掛かる。

・6月26日 東部住宅区画の拡大 人口7800人、資金79億円、収支3.5億円

 多少の住宅地要望が出て来た。あまり強い要望では無いが、この際、住宅地を開発して、人口を増加させ、ひいては、税収増加に繋げるべきであると考えた。なぜなら、教育レベルの高い市を築くためには、学校の充実が肝要なのであるが、わが市の現状は、高校卒業者が僅かに5%、大学測業者に至っては全く居ないというお寒い状態であるからである。従って、何としても学校を設立せねばならず、そのためには人口増加が必須なのである。

 そこで、東部住宅地に、南北(左右)道路4本を敷設し、大面積の住宅地を一挙に開発した。またこの地域にを、今回初めて許可の下りた「高密度住宅区画」に設定した。高密度住宅地は集合住宅を建設する地域であり、僅かな面積でも多数の人口増加を望むことができる。税収増に繋がるかも知れない。但し、低密度住宅にくらべて出生率が低く、人口の流動性が高いという弱点も持っている。

・2025年8月3日 東部での犯罪の増加

 東部の住宅地を中心に、犯罪が多発し始めた。東部には、工業地域に警察署が1つあるだけなので、住宅地まで遠く、パトカーの到着にかなりの時間を要するためである。そこで、中央の東西(上下)道路沿いに、警察署を1署配置した。

 最終的には各東西道路に1つ以上の警察署が必要とは思うが、現在の財政状況では1署の配置が限界であろう。

・2025年9月5日 依然として東部での犯罪が続く

 警察署を配置したものの、東部での犯罪が収まらない。私が現地を視察すると、警察署ではなく、消防署が配置されているではないか。なんという事だ。消防署もいずれ必要になるので撤去は行わず、近隣に警察署を配置した。

 その結果パトロールカーが出動し、近隣の犯罪は短期間で見られなくなった。

・2025年9月17日 小さな都市

 国より、人口が9千5百人に達したため「小さい都市」に認定する旨の通達があった。小さいとは言え「都市」となったと思えば、実に嬉しい。鉄道の敷設も許可されたが、当初より述べているとおり、道路以外の交通手段を使う予定はない。人口1万人の大台を目前にして、緊張感を感じる。

・2025年10月4日 上水不足 人口1万人 資金82億円 収支3.8億円

 拡大した東側の住宅地に家屋が建ち始めると同時に、上水道の不足の苦情が寄せられた。以前、排水口は5基に増設したが、取水口は2基のままとなっていたためである。急遽取水口を3基増設し、排水口と同じ5期体制で運用することとした。これで、人口5万人程度までは対応できる筈である。

失業率は5%程度と良好な状態を維持したまま、人口が1万人からゆっくりと増加しつつある。良い傾向であると言える。

・2025年11月4日 学校増設

 手持ち資金が100億円を突破した事を期に、教育機関の拡充を行う事とした。これまでの努力もあって、小学校と高校は最低限の要求を満たしている。しかし大学は1校すら設立されておらず、まとまった資金のある今こそ、設立しなくてはならない。

 将来的には東部に一校、西部に一校を予定しているため、今回は開発のより進んでいる、東部の中央部付近に1校を設立する事とした。大学は建設費75億円、維持費1億9千万円/週と教育のみならず、研究も行うことから、膨大な費用を要するが、当市の発展のためには必要不可欠である。

 このような訳でかなり無理をして大学を設置したが、周辺道路の整備も必要であったので、多額の資金を要し、手持ち資金が僅か4千万円と激減してしまった。今後大学の運営資金としてフローで失われる費用も多額なので、気を引き締めて取り組まねばならない。

・12月5日 ゴミ回収力不足

 市内で未回収のゴミが多発しているとの報告があった。調査すると、排出量26万袋に対して、処理能力は僅か5万袋程度しかない。5分の1しか処理できないのである。このため、未焼却のゴミが集積場に溢れ、市内に未回収のゴミが放置されるようになったものと思われる。しかし、11月4日の大学設置で資金を使い切っているので、資金が16億円しかない。やむを得ず、8億円で設置できるゴミ集積場を東部工業地域に設置した。

・2026年1月5日 ゴミ焼却炉設置

 12月5日に集積場を設置したものの、ゴミ回収を完全に行えていない。ゴミ焼却炉を買うにも資金が欠乏していた。一日千秋の思いで資金が積みあがるのを待ち、今日、ようやく30億円に達したため、直ちにゴミ焼却炉を東側工業地域に設置した。きわどい所であった。

・1月31日 ゴミ集積場設置

 5日に焼却炉を一基増設したものの、ゴミ問題はいまだに解決せず、町中にゴミが溢れている。資金も少なく、ゴミ焼却炉は増設できない。ゴミが放置されると、住宅は放棄される。市にとっては存亡の危機と言える。

 やむなく安価なゴミ集積場を2つ設置した。この集積場が満杯になるまでに資金を貯めて、焼却炉を購入しなければ、ゴミで都市が滅ぶことになる。正念場となった。

・4月7日 ご遺体放置事案発生 1400人 51億 5.2億

 ごみ問題に加えて、ご遺体の回収が間に合わず、市内各所にご遺体が放置されているという報告があった。即刻対応しなければ、放棄された建物が大量発生して人口が減少する。

 現行の1基の墓地は、上図に示す通り、3000人の定員中、150人しか埋葬されておらず、通常稼働している。ただし、この墓地に所属する霊柩車は10台すべてが出動中である。つまり、収容力には余裕があるが、回収力が不足しているため、回収遅れが発生していると分析できる。

 このため、住宅地域に3箇所の墓地を増設し、巡回できる霊柩車の数を増やし、ご遺体放置事案の解決を試みる。もし、解決されないなら、さらに墓地を増設する必要がある。

 当面は、ご遺体の発生状況を慎重に監視する必要がありそうだ。墓地の設置によって、資金は35億円に減少した。

・4月24日 1400人 48億 5.5億

 その後、ご遺体の発生状況を注視していたが、幸いにも放置されたご遺体が、新設した墓地の霊柩車に回収され、放置問題を解決することができた。また、ゴミの放置問題も解決した。

 今回は、資金の減少時に、何らかの危機が発生すると、対策に苦慮し、場合によっては市が滅亡することを学んだ。とはいえ、時には資金を使い切るような大胆な開発も必要である。つまりは、大規模開発の前には、トラブルの予兆が無いか、慎重に検討する必要があるという事だ。

・4月24日 大学卒業者 1400人 48億 5.5億

 教育課から、大学卒業者が人口の4%に達したとの報告を受けた。

 まだまだ僅かではある。オフィス地域や、高密度商業地域の設置もすこしずつ可能になるであろう。試験的に、市の西部に初のオフィス区画を設定した。産業地ニーズの以前よりの高まりもあり、次々とオフィスビルが建設されて行った。事業が成功することを祈っている。

・6月2日 高密度商業区画

 4月に設置したオフィス区画は順調に業務を続けている。お陰で産業区画に対するニーズは収まり、商業区画に対するニーズが高まっている。そこで試みとして、現行商業区画の南(左)側に、高密度商業区画を設定してみた。教育を受けた市民が十分に居れば、発展する筈だ。逆に、教育水準が商店の要求に達しなければ、店舗は廃棄されるだろう。今後の動向を注視しなければならない。

・7月11日 教育の過剰

 高密度商業区画とオフィス区画を視察した。何れも問題なく通常営業をつづけており、ほっとしたが、問題もあった。何れの企業でも「教育過剰な従業員」を1~2名抱えているのだ。つまり、本来高卒で出来る仕事を、大卒が行っているというイメージである。

 事業主にとっては、高学歴者は賃金が高く、教育過剰な従業員は致命的ではないが、悩ましい問題であるようだ。対策としては、各学校の定員を少な目に設定し、小卒者、高卒者、大卒者が産業のニーズに合う比率になるようコントロールする事である。ただしこれは「教育の行き届いた街を作る」という大統領の方針に反する事でもあり、慎重に検討する必要がある。

・7月20日 大都市 16000人 179億 7.2億

 国より、人口が16000人に達したため「大都市」に認定する旨の通達があった。これにより、下水処理施設や火葬場の設置が許可されるとの事である。火葬場は25億円と高額ではあるが、墓地のように満杯になることなく、ご遺体を荼毘にふすことができる施設である。さらに、墓地に埋葬されているご遺体を火葬することで、墓地を空にし、別の目的で使用する事もできるようになる。

 将来墓地の遺体を火葬する事も考えて、各墓地の近傍にそれぞれ一基の火葬場を設営した。

・7月31日 オフィス区画、高密度商業区画拡張 1.6万人 101億円 5.2億円

 試験的に設定したオフィス区画の運営が順調であり、大卒者の割合も8%に達したので、現行オフィス区画の少し東(下)に、一層大きなオフィス区画を設けた。さらに、隣接する住宅地を、低密度住宅区画から、高密度住宅区画に変更した。いわゆる高層マンション街である。

 このように、オフィス区画は騒音や汚染は発生しないので、住宅区画と隣接することができる。これにより、職住接近の便利な生活も可能になり、通勤時間を減らし、市民に快適な生活を提供できるのではないかと考える。同時に、トラフィックの削減も可能になるだろう。

・9月7日 ゴミ焼却炉の増設 1.5万人 110億円 4.9億円

 西部のゴミ集積場はすでに満杯であり、場所を取るだけで何ら機能していない。ここに集積されたごみを焼却して、土地を再利用するために、3基のゴミ焼却炉を設置した。また、集積場にゴミの搬出を命じた。焼却炉は高価であり、資金は一気に33億円に減少した。

・10月23日 高校の増設 1.6万人 53億円 4.5億円

 小学、大学教育はニーズを満たしているが、高校教育の定員が不足し、希望者が入学できていない。あえて入学できない者を残し、幅広い学力層を作り、産業多様性を発展させる政策もあると思うが、当市の方針は「高い教育水準」である。それゆえ、産業多様性を多少犠牲にしても、教育を充実させることとした。この目的で、西部住宅地の中央に、高校を1校設立した。

・2027年3月17日 1.3万人 92億円 1.9億円

 東部一帯の区画変更を行った。まず、工業地域の半分を高密度住宅地域とし、さらに、高密度住宅区画とビジネス区画を交互に配置した。高学歴社会向けのシフトであるが、大卒者は6%と未だ少ないので、当面は発展は緩慢であろうと思われる。さらに、ゴミ焼却場を1基増設して、ゴミ集積場の1に搬出を命じた。

・6月3日 1.6万人 116億円 4.9億円

 商業区画に対するニーズが高まったため、西部商業地域の低密度商業区画をすべて高密度化した。さらに、市の中部に広がっていた低密度住宅地域に、高密度住宅区画とビジネス区画を交互に配置した。大面積の低密度住宅区画の廃止で、一時的に人口は減るであろうが、より多くの人が住める高密度住宅が発達すれば、逆に人口は増加すると考える。

 但し、高密度住宅は人口変動が激しく、出生率が低い。果たして、生活は幸せなのだろうか、と不安もある。将来は、広々と子育てのできる、ゆったりした低密度住宅区画を広く設けたい。

 

・8月28日 労働者不足 1.6万人 114億 2.1億

 大面積の低密度住宅区画を廃止したために、市内各所で大規模な労働者不足が発生した。区画の廃止は性急であったようだ。おそらく、廃棄される事業所も多量に発生するだろう。高密度住宅が発展し、そこに高学歴者が増えるまで、不安定な状態が続くと思われる。

・9月23日 多数の事業所が廃棄される 1.8万 127億 2.8億

 予想通り、労働力不足により多くの事業所が廃棄されてしまった。とはいえ、高密度住宅の拡張により、人口は1.8万人に増加している。これらの人々が教育を受け、職に就けば、人手不足は解消に向かうだろう。時間は掛かるかも知れないが…

・10月29日 小学校増設 1.9万 138億円 4.1億円

 小学校の定員が不足していた。小学教育がなければ、高校も大学も機能しないため、3校を設立した。

・2027年11月14日 壮大な都市 2万人 177億 4億

 国より、人口が2万人に達したため「壮大な都市」に認定する旨の通達があった。これにより、太陽熱発電所の設置が許可されるとの事である。とはいえ、天候に左右される太陽熱発電所はときに電力不足をもたらすので、採用する予定はない。

 さて、壮大な都市に成長したと言っても、まだ2万人であり、目指す8万人の4分の1である。地域全域をすでに利用している状態で、4分の1しか人口が達成できていないような事で、8万人都市の建設は大丈夫なのか、大いに不安がある。将来的には北側に隣接する地域も買い取って成長を図る予定ではあるが、そうであっても、現在の地域だけで、5万人には達成する必要がある。これからも厳しい運営が求められそうである。

12月6日 最終区画設定

 市の中央部に残っていた更地に、高密度住宅と、ビジネス区画を設定した。これで、市の全域に区画を設定し終わった事になる。あとは、ゴミ、汚染、ご遺体、停滞等が発生する都度対策を施しつつ、発展を見守る事になりそうだ。無事成長してくれることを祈る。

 特に交通の渋滞は恐ろしい、ゴミ回収、ご遺体搬送、病人搬送、物品輸送の全てが停止し、短期間で市が滅亡することもある。渋滞が生じないように慎重に道路設計したつもりではあるが、注意して見守りたい。

 現状、市内の道路状況は良好である。入口インターチェンジで多少の混雑が見られるものの、市内の道路はおおむね緑色で表示され、円滑な流れを示している。

・2028年2月4日 高校の不足 2万人 206億 3.3億

 高等学校の定員不足が報告された。高密度住宅地域を増設したのに、学校を増設していないのが原因である。そこで、市の東部(下部)に3校の高等学校を設立した。また、将来不足するであろう小学校も3校設立した。

・2028年3月28日 犯罪の多発 2.3万 133億 5.3億

 市の東部、南北両端で犯罪が多発している。この地域には警察署が無いからである。統計を見ると、地域は赤く塗られており、犯罪の温床となっていることが分かる。警察署ではなく警察本部を設置し、市全体を安心安全にしたい所ではあるが、維持費も膨大となるので、南北(左右)2箇所に警察署を配置して各地域の治安を高める事にした。

その結果、市の東部全体の犯罪危険性を下げることができた。

・2028年7月18日 大学増設 2.9万人 140億 10億

 大学の定員がぎりぎり一杯となったため、1校を増設した。大卒者の増加が緩慢なのが悩みの種である。大学の増設で増えればよいのだが。

 さて、今日はこれまでの推移を整理してみよう。まずは人口(ピンク色)であるが、大規模な区画整理などによる減少がところどころにあるものの、増大基調である。続いて税収(赤色)も、人口に比例するように順調に増加している。ところが、雇用率(灰色)は停滞していると言わざるを得ない。これは、大卒者が少ない状態でオフィス区画を拡張したために、低学歴者が仕事に就けずに居るという事であろう。

2大学を稼働させ、小学、高校も定員を増やしているので、時がたてば大卒者が増えて雇用率が改善すると考えている。

・2028年9月17日 主要都市と付属小高学校

 国より、人口が3万2千人に達したため「主要都市」に認定する旨の通達があった。これにより、船舶による流通が許可されるとの事である。とはいえ、当市の方針は「自動車による快適な移動」」であるから、船舶を活用する予定は無い。

 小学校と高等学校が僅かに不足しているので、各大学に、付属小学校と付属高等学校を設けた。

2028年11月6日

 ゴミ回収に遅れが出ている。廃棄物処理状況も、処理力不足が報告されていたので、西部に2基、東部に2基のゴミ焼却場を増設し、全10基体制で焼却を行うようにした。排出量44万個に対して、処理能力が48万個となったため、集積場への搬入はほぼ無くなると思われる。集積場からも搬出を開始し、空の状態として万一に備えて待機させる予定である。

2028年12月21日 3.5万人 210億 11億

 ゴミ焼却能力と電力供給能力がカツカツになったため、市の西部と西部に、焼却炉4基、石油火力1基を追加した。大規模な工事で、資金は40億に減少した。

        

2029年3月19日 大学増設 3.7万人 170億 13億

 大学の定員不足が発生したため、市の中央部に大学を1校増設した。これで本市の大学は3校となった。

2029年4月17日

 今日は反省点を記録したい。住宅区画を解除すると、住民は自市の別の住宅ではなく、他市に転出するように思われる。このため、せっかく大学に通学しており、もうすこしだ大卒者になる筈であった人物を失う等の損失が出る。2028年に教育水準が低下した(上図左)原因はこれでは無いかと推察している。

 また、市民の健康度が58%と低い。1箇所しかクリニックが無いためである。2箇所のクリニックを追加し、3院体制で医療にあたることとした(上図右)。将来的に大病院を設立して、市民の健康レベルを最高レベルに高めたい。

 加えて、上下水道の処理にも余裕が無くなってきたので、取水口、排水口をそれぞれ2基ずつ増設した。

・2030年1月5日 安定した成長 4.1万人 811億 19億

 我が市は安定して成長している。但し人口は次第に伸び悩みを見せ初めている。

 ここでわが市に、大病院、警察本部、消防本部、公園などを充実させ、安心安全快適な都市を実現し、一層の人口増を図る方法もある。しかし、大統領は、北側に隣接する地域も併合した、8万人都市の建設を目指しておられる。このため、隣接地域の開発のための資金も確保しておかねばならないから、安心安全快適の追及は、今しばらく我慢し、隣接地域の併合に成功した後に、最後の仕上げとして行いたい。

 さてそろそろ、隣接地域の買い取りと開発を検討する時期が来ているようだ。身の引き締まる思いである。

 隣接地域を併合しての開発には、交通上の大きな困難が伴う。2つの地域は、別々に機能するのではなく、お互いの間に膨大なトラフィックを発生させて機能する。このため、成功する筈の都市2つを接合すると、結合部に大量のトラフィックが発生して、渋滞による流通停止で都市が滅ぶのである。私はそのような例を数多く目にして来ただけに、慎重に併合開発を進めたい。

・2030年2月30日

 隣接地域を併合しての開発の方針を定めた

1.都市構成は現状を維持し、これを北の隣接地に延長する。

        (つまり、東西のラウンドアバウトと、これに挟まれた格子状の住宅地の構造を北に延長する。)

2.本市北を東西に走る高速道路は高架化して、本市の道路はその下を通す

3.東西に走る高速道路と本市東西のラウンドアバウトをインターチェンジで結合する

4.ラウンドアバウトにはシャント(サブループ)を設けて、交通量を減らす

5.ラウンドアバウトのセグメントを短くして、円滑な車線変更を促す

・2030年7月27日 4.1万人 1369億 18億

 大統領の決裁を得て、隣接地域の開発権を得た。開発権料3億4千万円という安さに驚いたが、何ら開発されていない原野であるから、妥当な価格であるとの事である。

 これからは、従来の当市を旧市、今回取得した部分を新市と呼ぶことにしよう。

 測量用小径を利用して、西部のラウンドアバウトを新市側に精密に延伸した。

 ラウンドアバウトが高速道路を横切る部分は、立体交差を用いた。

 ラウンドアバウトでは、我が国初となる「セグメント短縮工法」が採用された(下図)。これは、ラウンドアバウトを構成する道路から、多数の小径を分岐させることで、道路セグメントを細かく分断する工法である。運転者はセグメントの切れ目で車線変更を行うため、セグメント短縮により車線変更の頻度が増え、たとえ交差点の間隔が短い場合でも、円滑な流れが得られるとされている。工事完了後、この小径は撤去される。

 下図は工事用小径を撤去した扁平ラウンドアバウトである。セグメントが短縮されているのが目視できる。

 また、新市との併合により、ラウンドアバウトが非常に長くなるので、ラウンドアバウトにシャント(短絡路)を設けている。上図中央右寄りの、上下二本の短い道路がそれである。これにより、長大化したラウンドアバウトを1周せずとも、目的の道路に分岐することが可能になる。但し、ラウンドアバウト中にシャントという追加の岐が生じるのため、渋滞の原因となるのは避けられない。これを防ぐため、セグメント分割が行われている訳である。

 尚、シャントを通過する交通量はさほど多くないが、シャントは幅広く6車線道路を用いている。これは、シャントが狭いと、ラウンドアバウトの端1車線からしかシャントに入れなくなり、車両を端の車線に集中させてしまうからである。6車線道でシャントを構成すると、ラウンドアバウトの3車線からシャントに入ることが可能になり、道路全体が有効に活用される。

 下図は、ラウンドアバウトを高速道路に接続する、極めてコンパクトなインターチェンジである。シンプルであるが、まずまずの交通量を処理できる。

 下図は工事を完了した新旧両市の様子である。西側のラウンドアバウトには4箇所のシャントが、東側のラウンドアバウトには3箇所のシャントが設置されている事が分かる。

 下図は公共施設の配置と区画設定を終えた新旧両市である。これより新市への転居者を募集し、経済活動を開始する。

7月31日 新市停電 4万1千人 259億円 5.9億円

 新市の公共機関が停電しているとの報告を受け、臨時の送電線を設置した。新市に建物が建て込めば、この総戦線は撤去する予定である。

2030年9月13日 再び信号機

 市内の交通の流れがギクシャクしている。調査するとラウンドアバウトの各部と、新市の東西道路、つまり、新設された合流交差点に全て信号機が設置されている。

 この国の信号機利権は強靭である。大統領は「彼らは全く暴力的ではないし、逆に多くの雇用を生み出している」と問題視していない。災害時に無効化させていた信号機を復活させて、危険個所の回避をするなど、役立った事例も多いのだと言う。とはいえ、信号機無効化の手続きは面倒だ、信号機毎に指示書を作成して、無効化を指示しなければならない。結局、数十か所の信号に対し、無効化指示書を発行して、信号の動作動作停止を命じた。

11月6日 巨大都市 4万4千人 485億 17億

 国より、人口が4万4千人に達したため「巨大都市」に認定する旨の通達があった。これにより、原発と水上カフェの設置が許可されるとの事である。この国の制度は謎に満ちている。水上カフェなどは、風光明媚な地方の小村こそ設置すべき施設だと思うのだが、なぜ巨大都市になって許可されるのであろうか。大統領に聞くと、かつてカフェ沈没事故があって、それを期に「水上飲食店の安全管理についての法律」が制定され、今の状態に至っているとの事である。

12月16日 4万6千人 606億 17億

 交通状況は下図左の通りである。赤色のエリアはあるが、下図右に示すとおり、渋滞しているのではなく、多くの車が走行しているだけという状態である。いまのところ、車だけで快適に利用できる街として機能している。

2031年4月25日 電力不足発生 5万2千人 932億円 19億円

 新市中央部で電圧低下が発生した。発電能力が不足しているためと思われる。新たに許可された原子力発電所を旧市南東の河畔に設置した。200億円の出費は堪えるが、強大な電力は実にありがたい。

・メトロポリス 6万5千人 1299億円 24億円

 国より、人口が6万5千人に達したため「メトロポリス」に認定する旨の通達があった。これにより、飛行機の利用が許可されるとの事である。とはいえ、「自動車で楽々移動」を基本方針としているので、飛行機利用の予定はない。

・11月1日 フィッシングパークと水上カフェの設置 6万5千人 1300億 25億

 巨大都市に指定されて許可された水上カフェを設置した。なるほと優雅な施設である。穏やかな波に揺られながらお茶を楽しんでいると、うとうとと眠くなってくる。風が快い。耳をすませば、隣接するフィッシングパークから、子供たちがワーワーと楽しむ声が微かに聞こえてくる。長閑である。

・2031年12月2日 水不足 67千人 1439億 25億

 水道課から、上下水道の能力が限界に達していると連絡があった。上水供給能力840k立米に対して消費量が828k立米とギリギリである。人口が6700人であるか、一人当たり、12立米/週程度の水が必要なのだろう。将来10万都市を目指しているのだから、余裕をもって12万人分の供給能力を持たせるとすれば、1460k立米/週の供給力を整備しておくべきだろう。

 取水口(ポンプ)1基あたり、120k立米/週の能力があるから、上水、下水共に13基設置しておけば、都市が拡大しても、余裕で対応できるだろう。このため、現行のそれぞれ7基に、新たにそれぞれ6基を追加し、上下水共に13基体制とした。

・12月18日 6万8千人 1457億円 24億円

 新市でゴミの未回収の苦情が出ている。確かにゴミ処理状況には余裕がない。そこで、新市西部に2基の焼却場を設けた。

 同時に、集積したごみを回収し、空となった旧市東部の3箇所の集積場を取り壊した。今後は商工業地域として活用したい。

・2032年 10月 19日 メガロポリス

 国より、人口が8万人に達したため「メガロポリス」に認定する旨の通達があった。当市が、我が国最大の都市となったとの事である。とうとう大統領の夢を叶えて差し上げることができた。とはいえ、規模が満たされただけであり、教育面、福祉面の増強は今後の課題である。

 メガロポリス認定を祝って、大統領が視察に来られた。ヘリで南から当市に近づくと「おお」と声を上げられた。何もなかった原野に、巨大都市が生まれていたからである。この町は大統領の希望通り教育レベルが高く、重要な民間の高度な業務のみならず、政府機関の重要業務を担当するに至っている。

私は、下水処理が手薄で、下流にそのまま汚水を流している懸念を伝えた。大統領は今後改善しましょうと仰った。

 ヘリが当市に近づくと、眺めはさらに圧巻であった。市の東西端に設けられた扁平ラウンドアバウトを利用して、円滑に自動車が流れている。大統領は「皆が車を持っているか」と聞かれた。わたしは「殆ど皆が持っています、ただし、職場が家の向かい、その奥が商店というような場合も多く、徒歩だけで生活している市民も若干名おります。そのような者も、遠方に遊びに行くときは車を使うようです」と応えた。

湖畔のレクレーション地域では、大統領は水上カフェで休憩された。遠くから、メリーゴーランドで遊ぶ子供たちの声が聞こえる。旅の疲れからか、紅茶を味わうと、椅子に座ったまま気持ちよさそうに居眠りしておられた。

 当市の特徴である、市の南北一杯に広がる扁平ラウンドアバウトを空からご覧いただいた。ラウンドアバウトを単なる交差点として使うのではなく、商工業区画の通行路としても兼用しているところが、本市の効率的な道路運用の特徴の一つであると説明した。

 その後日没となり、当市の夜景を満喫頂いた。

 残念ながら着陸前には雨が降り出したが、大統領は「皆が車であれば、雨も気にならぬな」と仰った。

 その夜はホテルにお泊りになり、翌朝、日の出と同時に、ヘリで首都へ戻られた。

 朝日を受けて輝く当市をご覧頂けたのも大変うれしかった。

 別れ際に大統領はおっしゃった。ウェストフィールドは週に10億の金を稼ぎ、4000億の資金を持っている。だが、この市は「安定して持続している」ものの、まだ「幸せに輝いている」とまでは言えない。さてここで、あなたは、この国の悪しき常道に沿って、この莫大な金を自分の懐に入れることもできるし、市民の幸福のために使う事もできる。少なくとも私の知るこの国の政治家は、全て前者であった。あなたはどうなのかな?

わたしはお答えした「私は、最初に大統領に選ばれたままの私です」。「幸運を」大統領はそういって私と別れた。

2033年4月28日

 ご遺体回収の遅れが問題になっている。急遽火葬場の25基の大量増設を行った。幸い、交通事情が渋滞等無く、良好であるから、火葬場を設置するや否や、市内に放置されたご遺体は回収させて頂くことができた。

2033年6月9日 犯罪 8万1千人 2800億 22億

 時折痛ましい事件を耳にする。とはいえ、その昔、麻薬組織がこの一帯を跳梁跋扈し、道端に見せしめの惨殺体が吊るされていた頃に比べれば天国のようではある。ただし、先進国が享受しているような安心安全には程通いのが現実である。

 所々に配置された警察署が、犯罪を抑えてはいるが、犯罪発生率は6%もあり。留置場が不足している。

新たに3箇所の警察本部を増設した。しかし、犯罪発生率は1%下がっただけであった。さらに4箇所の警察本部を設置し、留置場の充足度を100%とした。

6月30日 8万2千人 2600億円 22億円

 火災は相変わらず多い。報告によれば、平均災害率41%で、リスクの高い地域(赤色)がとりわけ市の南部に広がっている。消防署は適宜配置してきたが、予算の都合で消防本部の配置は遅れていた。8万都市となったいまなら、消防本部の配置も夢ではなかろう。

特に災害危険度の高い地域を中心に消防本部を5箇所設置した結果。火災危険度は明らかに改善した。

8月25日8万3千2400億27億 出生数の停滞

 出生数が伸び悩んでいる。高密度の高層住宅では出生率が下がると聞いていたが、やはりその通りだった。将来的には、低密度の住宅を郊外に拡張して安心して生き生きと子育てに専念できる地域を作りたいが、当面は、小児医療センターを充実させ、子育てに対する安心感を感じてもらう事で、出生率の向上を目指したい。市内に5箇所の小児医療センターを建設した。

2034年1月25日 レジャー施設の不足

 当市は僅かな資金で開発を続けてきたため、レジャー施設が無い。最終目的である人々の幸福を目指して、レジャー施設の拡充が課題である。ただ、私にはレジャー施設の経験が少ない。試しに、木のある公園、バウンシーキャッスル、メリーゴーランドの3施設を並べると、満足度が大きくなることに気付いた。このため、この組み合わせを、旧市に4箇所設置して、様子を見る事とした。

2046年5月2日 病院建設

 これまで小さな診療所しか建設して来なかったが、市民の健康を高めるためには、総合的な治療が行える大病院が必要である。

 市の中央部の南北に、2院を建設した。

 

・1月24日2047年 99000人 11290億 5.2億

 交通状況の確認を行った。多少車が集中しているところはあるものの、渋滞している部分はなかった。

当初の目論見通り、道路だけで便利な10万人都市建設に成功したと言える。

 その立役者は「扁平な2つのラウンドアバウトで挟まれた碁盤上道路」というシンプルな設計である。

ランドアバウトを扁平化したことで、面積を極小化できたし、ラウンドアバウトそのものを、商工業用の道路として利用することができた。さらに、ラウンドアバウトにショートカットを設けて1周まわらずとも希望の出口で出れるように工夫したことや、セグメント短縮工法で車線変更の機会を増やしたことで渋滞防止が出来た。

・2047年6月9日 9万6千人 22421億円  4.3億円

 大統領とお会いする機会を得た。

 私は、約束したメガロポリスが完成した事を報告した。さらに、大統領の希望通り、教育が行き渡り、大学卒業者の割合は65%に達していると報告した。

 大統領は、国家の技術、学術、商業の重要部分を既に当市担っていることにも感謝された。上下水道、電力、医療、都市サービスは高いレベルで行き渡っており、治安が良く、災害も少ないとお褒め頂いた。

 大統領は最後に「あなたにお願いした仕事は、私が思った以上の成果をもって完成させて頂きました。心から感謝します」とおっしゃった。

 その後小声で、多くの市民が高層マンションに住んでいる事に懸念を示された。大統領は広々とした住宅地でも、高層マンションでもお暮しになった経験をお持ちのようなのだが、どうも高層マンションというのは、プライドは感じるが、実際の生活、とりわけ子育てには適しないと感じておられるとの事である。「高層マンションではどろんこ遊びが出来ないんだもん」との事である。

 そして、「東側の地域をわが市に併合できるよう交渉してみるので、交渉に成功したら、市の東側に、子育てに適した広々とした低層の住宅地を作ってくれないか?」と打診された。

 わたしは「都市密度を高めるのが専門の私に、それができるでしょうか?」とお答えすると、大統領は「少なくとも私は、市の金を自分のポケットに入れない人物を、あなたしか知りません。よろしく頼みます」との事であった。

・2047年9月22 東区域編入

 大統領から、東区域の関係者との交渉に成功したとの連絡を頂いた。開発使用料は7億円とさすがに原野とはいえ、安価である。さて、これで住みやすい住宅地を設計できるのだろうか?買い物、通学、等、受託地にもさまざまなアクセスがある。徒歩が重要視される部分もあろう。しばらくはいろいろと勉強せざるを得ない。

 東部住宅地域は旧市と新市の合計と同じ面積のある広大な地域だ。ここに居心地のよい低層住宅が広がるかと思うと、心が踊る。まず、騒音や鉄道事故の原因となる、鉄道や高速道路は地下に埋設し、東西を繋ぐ幹線道路の建設を開始した。

207310月18日 東部住宅地工事 9744億 ▲3.3億 104000人

 時間を要したが東部の低密度住宅地の工事が完成した。この地域は、出生率の高い低密度の住宅地だけに限定し、道路間隔も通常より10セルの道路間隔を、18セルと広く設定して、裏庭の空き地で子供を遊ばせることができるようにした。髄所に公園メリーゴーランドバウンシーキャッスルを組み合わせた児童公園を設置し子育てし易い地域とした。また、騒音を低減するために、芝生付き道路を採用している。

 良い住宅地が出来たものの、新設校や道路の維持費で市の財政は3.3億の赤字に転落した。住宅地は低密度で、さほどの人口増加は見込めないので、今後の財政が心配である。

2074年1月8日 送電線敷設 105371人 9376億 ▲5.8億

  広い地域に点々の公共施設を配置したために、電力が伝わらず、市の東部は全面的に停電となった。臨時で送電線を敷設し、給電した。税収が増えず、収支はいまだに5.8億の赤字で、このまま資金を使い切って破産するのではないかという不安が強い。それまでに、住宅地に人々が越してくれることを祈っている。

2074年6月14日 107821人 9059億 ▲8.1億

 新たに東部住宅に越してきた住民には、教育の行き届いていない者もおおい。そこで、彼らが働く場所として、旧東部工業地帯に臨時の工場地域を追加した。また、人口増によって電力不足を生じたため原発1基を増設した。これらの処置により、人口増は少ないが、財政は週当たり8億の赤字と厳しい状態になった。

 残り資金も下図のように急速に減少しつつある。かつてない財政の危機と言えよう。このまま行けば破産である。低密度住宅地で税収も少なく、今後の税制運営も厳しいだろう。強い危機感を感じる。子育てに適した環境づくりは、待ちの死活を握っていたのだ。

2074年9月8日 109211人 8千9百億 ▲6.6億

 大赤字が続いて悩みの種の東部大住宅地に、大統領が視察に訪れられた。赤字が続いており、私は穴があったら入りたい気分であったが、ヘリで上空からの視察に同行した。

 その結果、思い悩む気持ちが吹っ切れた。実に美しく、人々が生き生きと活動しているのである。

芝生付きの大きな道路から、一歩引いて建てられた、静寂な住宅。

 住宅と住宅の間に設けられた木立等、余裕のある設計で、人々は実にのびのびと暮らしている。

家庭菜園を楽しんだり、子供が自由に遊べる、広い裏庭も確保されている。

大統領は「ついに、思い描いていた街ができましたね」と言われたが、私は「とはいえ、今も赤字が続いておりまして…このままでは…」と言葉を濁した。大統領は私がお渡ししておいた資料の一枚を取り出し「予算が税収に急速に近づいています、等からず黒字転換しますよ」と励まして下さった。

・2075年1月19日 111515人 8838億 7.3億

 上水道が不足しつつある。しかし、長らくの大量の上水取水で、取水場付近の川に僅かな逆流が生じつつある。このまま取水場を増設すると、下流の下水排出口から汚水が上水に逆流してしまう。対策として、今後の上水共有は、地下水を利用する事にし、北部湖沿岸に10基の給水塔を建てた。

・2075年9月27日 サテライトビジネスエリア設置

 東部住宅の住民の中には、西の市中央部へ出向かずに、近場で仕事したい者も多い。このため、東部住宅の中に、3つの小さなビジネス区画を設けた。1つは円形、2つは矩形である。

円形サテライトビジネスエリア(ショッピングセンターを兼ねる)

ビジネス区画は汚染も騒音も出さないので都合が良い。また、ビジネス区画で囲む形で、多少の騒音が出る、商業地域、高密度商業地域を少しだけ設けた。市の中央部まで出向かずに手軽に買い物ができるようになる。

・2076年5月30日 11万9千人 黒字転換8579億円 +2億円

 東部大住宅地域に多くの市民が住むようになり、念願の財政黒字化を達成した。本当にありがたい。低密度住宅地の市民はしっかりと地に足の着いた生活をするため、今後も市の力強い原動力となって頂けると思う。この地域にも、小・高・大と、しっかり学校も設置してあるから、教育水準も将来は高くなり、広々とした自然の中で、豊かな生活を満喫してもらえると思う。

 この先、細かな対策を行いながら数年間様子を見、財政に余裕が発生すれば、東部住宅地にも、消防本部、警察本部、大病院などを設けて、一層、安心安全な街にして行きたい。

・2077年1月16日 11万9千人 8181億円 ▲2億円

 その後、市の状況をに睨みながら、下水処理場の増設、無用となった送電線の撤去、火葬場の増設などの対策を行った。出生率対策として、小児医療センターも2箇所に設置した。多くの対策を行うと、当然収支が赤字になる。またその回復に時間を要する場合も多いので、財政のコントロールは薄氷を踏むようである。その後さらに、下水処理場の増設、ゴミ焼却場の増設を行った。

・2077年12月6日 12万3千人 8千億円 3.1億

 教育水準の高い8万人都市を作りたい、という大統領の願いにより、2022に始まった当市であったが、その後55年を経て、我が国最高の都市に成長することができた。人口は12万人、大卒者が55%である。

 教育水準や雇用率が高く人々の生活は安定している。彼らは主にオフィスで働き、各自が自動車を所有して、完備された道路で、どこへでも、迅速に移動することができる。

 当市の人口は、当初目標の8万人都市を超えて、12万人にまで成長した。さらに、市の東側には、広々と住みやすい低密度宅地域が広がっている。ここでは、住宅の間隔は広く、家々の間には木立が広がり、静かで小鳥の声を聞くことができる。実にすばらしい。

 さて、私の仕事は終わったようだ。私は大統領に告げた「わたしも良い歳です、仕事も成し遂げました。そろそろ引退しようと思います。」大統領は聞かれた「老後はどこで過ごされるのかな?」私は答えた「東部の住宅地で余生を送るつもりです。」大統領は笑って「そう言うと思って、湖畔の植物園の近くに、手頃な物件を2軒確保してあるよ。意外と近い。一軒はわたしのだがね。」と言われた。大統領も私と同様に、東部住宅地がお気に入りの様子だ。

その後大統領は「夜景が見たい」とおっしゃり私をヘリに誘われた。

河岸からみる都市

都市の全景(左手前に旧市、その奥に新市、右側に低密度住宅区画を望む)

広々とした低密度住宅区画

住宅地区からみる市の中心部

夜の市中心部。高架化した高速道路が手前を走っている。市街に夜が明け、街に眩い朝日が差し込んできた。壮観である。

2083年11月11日

 私の引退後、病院、小児医療センター3箇所、消防本部3箇所が増設された。後任者も良く頑張っているようだ。市の統計局から、今日の当市の状況をまとめた図表が送られてきた。

 最後に、私の過去の失敗を紹介してこのレポートの結びとしよう。100万人の大都市を、との依頼を受けて25タイルすべてを平らに整地した上に建設した都市であるが、都市自体の設計には問題はなく、公共交通機関無しで問題なく機能していた。しかし、人口が増えるに従ってオブジェクトが不足し、都市の機能が止まってしまった。自動車だけで機能する都市は、自動車関連のオブジェクトを大量に消費するので、人口70万人が限度のようだった。流入する2本の河川の水は完全に消費するし、それはもう、資源バカ食いのとんでもない都市であった。これにくらべれば、今回のウエストフィールドが如何に自然と調和した慎ましい都市であることか。